ガンバロウ福大!行政の「結」

2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震に端を発する東日本大震災をきっかけに、福島大学行政政策学類の教員有志でブログを開始しました。福大行政に関わる情報共有・情報発信の場として、このブログが、読者のみなさんとわたしたちの、また、みなさん同士の結節点になれば嬉しいなと考えています。一緒に手を携えて、この難局を乗り切っていきましょう。     (2012年3月26日記)

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

福大×上智大=??Part 4 フィールドワーク③震災後の食と農―福島でのキムチづくりを通して(福島市松川町)

 こんばんは。毎晩出てくるぴたです。
 以前、インフルエンザをこじらせて、蓄膿症になってしまったことがあります。
 鼻がいつも詰まっていて、気分がいつもなんとなくすぐれない、嫌なにおいのする鼻水がでる、頭痛い、と悪いことづくめです。そのうえ、何か月も抗生物質を飲まなければならず、鼻の中に変な棒を突っ込まれたりして…
 半年以上も治らずにこんなことを繰り返していたところ、ある日、ジャムづくりをしていて、桃ジャムの炊ける湯気が甘くていい匂いがしていたため、思いっきり吸い込んだんですよ、そしたら、すすーっと鼻が抜けて…あっという間に完治しました!!
 いやー、食品加工の力はすごいですねー。蓄膿症まで直してしまう力があります。
 食品加工が持つ力、それは、蓄膿症の治療だけではないこと、ぴたはよく知っています。
 かーちゃんの力・プロジェクトを通じてです。
 食品加工に携わる人にとっての生きがいになったり、加工食品を食べる人を笑顔にしたり、放射能汚染で奪われてしまった福島の「食」と「農」が、それでもそこで生き、生活している人々のところに残り続けられるように…その力を発揮します。
 福島でキムチづくりを経験した、福島大学と上智大学のみなさんは、どんなことを感じたでしょうか。
 報告書に語ってもらいます!

*******
震災後の食と農―福島でのキムチづくりを通して

はじめに

【テーマ設定の動機】

 2011年3月11日の東日本大震災に伴う福島第一原子力発電所事故により、放射能汚染の被害を被った福島県。5年が経とうとしている今日においても、いまだに課題は多く残っている。特に福島県では、風評被害による農産物の被害が深刻化している。
私たちは「福島の食と農」にスポットを当て、震災後の福島の食と農、そしてそれにかかわる人たちの“今”を考え、福島が抱える困難、その中で生きがいを持って静かに頑張っている人たちを知ってもらいたいと考え、このテーマに設定した。

【活動概要】

活動日
2016年2月12~13日

活動場所
福島県福島市松川町
コミュニティ茶ロン「あぶくま茶屋」


出典:かーちゃんの力プロジェクト・協議会公式ホームページ

活動内容
原発事故で被害を受けた飯舘村や浪江町から非難した方々が立ちあげた「かーちゃんの力プロジェクト」のメンバーの一人である高橋トク子さんにお話しを聞き、実際にキムチ作りを体験する。このキムチ作りには、福島県松川町の菅野さんから頂いた白菜と大根を使用。つくったキムチの放射能検査を実施。



かーちゃんの力・プロジェクトについて

【プロジェクトの概要】

 このプロジェクトは、原発事故により避難を余儀なくされた主にあぶくま地域(川俣町山木屋、浪江町津島、飯舘村、葛尾村、田村市都路町、川内村)のかーちゃん(女性農業者)たちが、故郷の味を作りながら自立を目指すべく、2011年10月19日に「福島大学小規模自治体研究所」の支援を受けて立ち上がったもの。
 まず、今できることからはじめようと、それぞれ道具や機械を持ち寄り、「もちづくり」をして販売イベントの開催、「漬け物」などの加工品づくりを始めた。
 かーちゃんたちの知恵や技術、食の伝承や、離れ離れになったかーちゃんたちのネットワーク化を通し、地域と福島の復興に寄与することを目指している。


出典:かーちゃんの力プロジェクト・協議会公式ホームページ

【高橋トク子さんのキムチ】

 今回の活動の講師である高橋トク子さんは福島県飯館村のかーちゃんで、20年前に本場韓国でキムチ作りを学び、震災前からキムチを作り販売、多くのファンができるほどの人気を博していた。
 震災後もこのかーちゃんの力プロジェクトを通してキムチ作りを再開し、今でも風評被害に屈することなくキムチを作り続けている。


キムチづくりを教えてくださった高橋トク子さん(写真左)

【コミュニティ茶ロンあぶくま茶屋】

かーちゃんの力プロジェクトの本拠地である、コミュニティ茶ロン「あぶくま茶屋」には、かーちゃんたちが作った農産品が並んでおり、地域の方のコミュニケーションの場として活用されている。震災前は飯館村で、震災後は福島市で店を構えるカフェ「椏久里珈琲」の自家焙煎米を使ったコーヒーや、桑の葉茶、カボチャのアイスや酒粕アイスなどが味わえる。



フィールドワークのようす

【2月12日】
白菜収穫
福島県福島市松川町で農業をされている菅野さんに、今回のキムチ作りで使用する白菜と大根をいただいた。



下準備
収穫した白菜は、水洗いし塩を塗り込んで重しを乗せ、一晩漬ける必要がある。トク子さんに教えてもらいながら作業を進める。



【2月13日】
訪問
福島大学の学生と上智大学の学生が合流し、「あぶくま茶屋」に訪問。



トク子さんのお話し
キムチ作りを始めえる前に、トク子さんにお話を聞いた。キムチ作りを始めた背景や、かーちゃんの力プロジェクトについて、また震災後の自身の経験などについてのお話をしてくださった。



調理開始
トク子さんの指導のもと、調理開始(写真1)。千切りにした大根に、刻んだニンニク、生姜、ニラを混ぜ、さらにミキサーにかけたイカのゲソと胴体を1センチ角に刻んだものを混ぜ込む。

chorikaishi1.jpg

そこに二種類の香辛料と白醤油、小エビとダシとトク子さんの愛情を加え、均一になるまで混ぜる(写真2)。
これでキムチのもとが完成。

chorikaishi2.jpg

次に塩漬けした白菜450gにキムチのもと300gを用意(写真3)。

chorikaisi3.jpg

白菜の葉と葉の間にキムチのもとを入れ、丸め込む(写真4)。それを真空パックに入れ、一晩冷蔵庫で寝かせて完成。

chorikaishi4.jpg

完成したキムチは、放射線測定器で検査(写真5)。あぶくま茶屋では、完成した商品はすべて検査している。私たちが作ったキムチも、放射線は検出限界値以下であった。

chorikaisho5.jpg

まとめ―フィールドワークを通して

【上智大生】

 今回トク子さんのような福島の「食」と関わる方と一緒に行ったキムチ作りを通じて、普段触れている情報の信憑性について考えさせられた。
 福島を訪れる前は「福島の食は放射線の影響を受けているから危ない」という報道から受けるイメージが先行してしまう部分が多少なりともあり、たとえきちんと数値測定をして基準をクリアした商品だとしても懐疑的な目で見ている自分がいたように思う。しかし実際に放射線量測定の機械を見せてもらい、福島の方々の食に対する関わり方を知り、報道を鵜呑みにし、一面的にしか捉えていなかったことに気付くことができた。
 今後は今回体験したことを大切に、出来る限り自分の目で見て情報を判断していきたいと思う。

【福島大生】

 今回フィールドワークの大きな目的は、上智大生に福島の“今”を知ってもらうことであった。
 震災から5年が経とうとしている福島の農と食を見ていき、私たちは改めて福島が復興に向けて一歩一歩、困難に立ち向かいながら進んでいるということを実感することができた。
 私たちは福島に関わるものとして、本当の福島の“今”を見ていくこと、そしてそれを伝えることの必要性を、今回のフィールドワークを通して学んだ。

【最後に】

 福島の食と農にスポットを当て、福島の“今”について考え、現場で復興に向け歩んでいる人たちを知ってもらうために行った今回のフィールドワーク。福島の「かーちゃん」たちの温かさに触れ、福島の復興にはまだ多くの課題があるものの、着実に復興に向け進んでいることを実感できた。
 最後に、今回のフィールドワークに協力してくださった、高橋トク子さんはじめ「かーちゃんの力プロジェクト」の方々に感謝の意を示したい。

参考
かーちゃんの力・プロジェクト協議会|公式ホームページ http://www.ka-tyan.com/
かーちゃんの力・プロジェクト(福島市) | みちのく仕事 http://michinokushigoto.jp/project/8453

レポート執筆
飯山沙稀 村上しおり 谷口智子 日高智也 猪俣和弘 石井勇多  齋藤由佳 幡谷明里 末永俊彦 野崎智也  菊池康太
**********

 報告書そのものは、デザインにも時間をかけて作ってくれました!レポートありがとう。 ぴた

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://311gyosei.blog39.fc2.com/tb.php/330-8761814e
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

FC2Ad

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。