ガンバロウ福大!行政の「結」

2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震に端を発する東日本大震災をきっかけに、福島大学行政政策学類の教員有志でブログを開始しました。福大行政に関わる情報共有・情報発信の場として、このブログが、読者のみなさんとわたしたちの、また、みなさん同士の結節点になれば嬉しいなと考えています。一緒に手を携えて、この難局を乗り切っていきましょう。     (2012年3月26日記)

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斎藤里内からはじめよう。Part 2

ビックブラックゼミナールの学生さんの活動報告。
「斎藤里内からはじめよう」パート2。「大黒」だから「ビックブラック」という安直な名前とは違って、活動内容やその目指すものは、これまでの活動のなかから、学生さんが考えたこと、感じたことを反映したものになっています。
福島大学生だから、ビックブラックゼミナールの経験があったからこそまとめられた活動とその報告を、ぜひ読んでみてください。そして、福島大学の学生がどれほど真摯にがんばっているのか、ぜひ感じてもらえたら、ぴたとしても、とてもうれしいです!

**********
葛尾村斎藤里内応急仮設住宅プロジェクトⅡ
「復興」は、ここからはじめよう。
活動最終報告書
2015年3月
福島大学ビックブラックゼミナール

(…続き→前の記事は、こちら

○味噌つくり・梅干しづくりプロジェクト

 こちらも昨年からの継続した活動であるが、昨年度の梅干しづくりに加え、2014年度は味噌づくりも行った。梅干し作りに使用した梅は、仙台市根白石中学校から提供されたもので、県外の中学生との斎藤里内仮設住宅との新たなつながりが生まれた。この活動を通じて、仙台の中学生に福島の原発災害の現状を伝えることができたこと、また彼ら中学生が、斎藤里内仮設の皆さんの「復興」への取り組みを支えることに寄与するきっかけを作り出せたことは、2014年度の新たな成果でもあった。中学生と大学生との交流は、その後も、「交流野球試合」などの形で継続している。
味噌は私たちビックブラックゼミナールのメンバーを、「ばっち息子」と呼んでくださった仮設の皆さんが「ばっち息子が材料を集めてきてくれたからできた味噌だ」、と喜んでくれたことから「ばっち息子の味噌」と名付けてた。ちなみに「ばっち息子」とは、阿武隈地域の方言で「末息子」という意味である。

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○お正月料理&しめ縄づくり

 きっかけがあれば、家族や集落、仮設住宅に住む人たちのために、やれることはやってみたいという、仮設の皆さんの気持ちを形にしたいという思いで、仮設住宅に住む皆さんにご協力いただきながら実施した事業である。料理作りは仮設住宅の女性の皆さん方を中心に、そして、しめ縄づくりは、男性の皆さんが集まって進めていただいた。仮設住宅のお住まいの皆さんの、前向きな気持ちを実際に形にすることができた活動となったことは、とてもうれしい成果である。しめ縄づくりを行ったことで男性の参加が増え、2014年度は前年度よりも多くの方に参加していただくことができたイベントとなった。しめ縄づくりのための稲わらを、斎藤里内仮設の周辺にお住いの三春町の方にご提供いただいたが、仮設住宅とその周辺住民の皆さんの交流も、少しずつ広がっている。このプロジェクトの成果の一つでもある。

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○干し柿づくり

 ビックブラックゼミナールの学生11人と葛尾村仮設の方々との共同作業である。愛媛県の方から格安でご提供いただいた渋柿420個約120キロを、2人1組で20個ずつ干し柿へ加工した。イベントに参加した人もしなかった人も、仮設の皆さんに柿を配ることができた。みなさん、近所の人たちのことを気にして、「○○さんにも配っぺ」、と作業をしてくださった。葛尾村ではみんな普通にしていたことで、避難によってできない、あるいはやらなくなってしまったが、「きっかけがあればぜひやりたい」、との声を受けて実施できたことは大きな成果である。参加してくださった仮設住宅のみなさんは、だれもがてきぱきときれいな手仕事で進め、私たち学生は多くのことを学んだ。葛尾村の日常生活の中で自然と培われていた手仕事の技や力を実感する1日となった。それを、再び復活できたのは、私たちとしては、本当にうれしい。

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○2014年度の活動を振り返って

 2014年度の活動を始めるにあたり定めた3つの指針は達成されただろうか。その確認をしておく。
 まず第1に、農業(とそれにまつわる作業)を活動の中心にという指針をめぐって。
 トマトやナスの栽培や梅干し、しめ縄や干し柿は、大地がつくり出すものに人が手を加えて作り上げるものである。その過程で生きがいが生まれ、1人1人の個性が発揮されるものである。一連の過程で、根白石中学校との交流という新たな成果も生まれた。農業が持っている役割を、仮設住宅での日常生活の中で、これまでより充実した形で復活させよう、という意図は、実現できたように思われる。
 第2に、仮設の高齢者は支援の「対象」ではなく、あくまで復興の 「担い手」、という点に関して。
 さまざまな活動に積極的に参加して、家庭や集落、ご近所さんのために自分のできることはやろう!という仮設の方々の前向きな気持ちは、干し柿づくりやしめ縄づくり、正月料理作りなどで、形となった。本当は力も技もアイデアもあるが、それがうまく見えない、現れていないときに、そうしたものを引き出すためのきっかけをどう工夫するか、私たち学生にとっても、貴重な学びの機会となった。
 第3に、葛尾村の人々の日常生活のなかに潜む力を発揮してもらう ことで、ここから始まる復興の道筋を示すという指針について。斎藤里内仮設住宅にお住いの方々の、普段の何気ない日常生活の中に潜む力を発揮してもらうことで、葛尾村やさらには福島の復興につなげる第一歩にする――これが3つ目の目標であった。一連の活動を通じて、斎藤里内仮設住宅のみなさんが、長年の葛尾村での生活の中で身についていた手技や、加工食品、料理の腕には、大きな力が宿っていることがよく伝わった。こうした皆さんの日常生活に潜む力を、少しずつではあるが、取り戻すことができつつあると思う。仮設住宅を素通りすることなく、ここから始まる「復興」の形は、少しずつではあるが、見え始めているのではないだろうか。

 だとすれば、この道筋を少しだけ広げていくこと、斎藤里内仮設のみなさんが2年間に見せてくださった「家族やご近所さん、集落や村などで必要とされるなら、ぜひ自分たちでやろう」という想いや、農を通じて人々とつながる力、梅干しや味噌、干し柿づくり、さらにはしめ縄づくりの技や力を活かす形での「復興」を、次へのステップへと発展させることはできないか?斎藤里内仮設のみなさんが活躍することで、葛尾村、さらには福島県の復興につながるような展開を、どのように構想すればよいのか、これが次の私たちの課題となる。

○2015年度に向けて、さらなる展開を!

 斎藤里内仮設住宅の方々の想いや、かつての葛尾村での日常生活の中で培った手技やコミュニケーション力を活かす「さらなる復興」をどう目指すか?私たちの提案は、

①斎藤里内仮設ブランドの農産加工品販売
②「葛尾御膳」の開発とレストランでの提供

の2つである。梅干し、干し柿、味噌等を直売所等で販売することは、きちんとした加工場の整備などを行うことができれば、すぐにでも可能なことである。学生である私たちとしても、梅干しを利用したスイーツやジュースなど、干し柿を利用した柿ジェラートや柿餅など、今後いろいろと提案していくことができるように思う。
また、お正月料理の創作と提供で見せてくれた料理の技は、すぐにでも、レストランで提供できるはずである。干し柿や梅干し、味噌、餅などをふんだんに使った「葛尾御膳」を構想し、ぜひ、多くの方々に食べていただけるような提供の形を考えていきたい。

○復興は、ここ斎藤里内からはじめよう!

 仮設住宅を素通りする「復興」ではなく、仮設住宅から始まる「復興」を目指す――2年間の活動で見えてきた斎藤里内仮設住宅のみなさんの想いや手技、秘められた力は、そこからはじまる「復興」が十分可能なことを、私たちに確信させてくれたと思う。この2年間で私たちは、みなさんから多くのことを学ぶことができた。それは、どんなことがあってもみんなでつながり、毎日自分のできることをして生きていこう!とする力だと思う。その力が発揮される形は、ナスやトマト、味噌など形として現れるものもあり、料理の知識やしめ縄づくりの手技のように、見えにくいものもある。しかし、私たちの目指す「復興」は、昔からその地域で暮らしてきた人々の「毎日できることをして生きていこう」、とする力を大切にするところから始まるものである。私たちのスタートラインは、斎藤里内にある小さな仮設住宅ではある。そこから始まる「復興」が、被災地全体の復興につながるのかどうか、疑問に思う方もいるかもしれない。しかし、大きなことは小さなことの積み重ねによって達成されるのではないか。私たちは、斎藤里内仮設住宅のみなさんとともに、この小さな取り組みをこれからも積み重ねていくつもりである。そこから始める「復興」こそが、福島が目指すべき「復興」になることを目指して!
 最後に、私たちの結論を…
 「福島の復興はまず、斎藤里内仮設住宅からはじめよう!」

(終わり)

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