ガンバロウ福大!行政の「結」

2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震に端を発する東日本大震災をきっかけに、福島大学行政政策学類の教員有志でブログを開始しました。福大行政に関わる情報共有・情報発信の場として、このブログが、読者のみなさんとわたしたちの、また、みなさん同士の結節点になれば嬉しいなと考えています。一緒に手を携えて、この難局を乗り切っていきましょう。     (2012年3月26日記)

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斉藤里内仮設からはじめよう。

 こんにちは、ぴたです。
 40代半ばを過ぎたぴたには、5月の日差しはキツすぎます…昨日、ぴたは、ぴたの1年ゼミの20人、それに大学院生や元ゼミ生やらとともに、三春町にある葛尾村の応急仮設住宅でのイベントに出かけてきました!4時間外にいただけで、肌はひりひり。でも、かわいい1年生や優しい仮設のおばあちゃんたちと、ソーラーシェアリングするのは、やっぱりいいですね。昨日のイベントについては、また嶺風さんを通じて学生さんに報告してもらいますね。
 さて、ぴたはここ3年ほど、ゼミの学生さんたちと、福島県の「大学生の力を活用した集落復興支援事業」(→詳しくはこちら)の委託を受けたりしながら、この仮設住宅にかかわってきました。集落のみなさんとの協働のプロジェクトです。福島大学行政政策学類の学生さんたちは、震災後、いろんな形で、被災者支援、震災復興に取り組んできました。今の福島だからやらなきゃいけないこと、今の福島だからできること―そんな考えで作ってきた活動のひとつです。
 昨年度の活動を総括した報告書を県に提出しています。今日は、学生さんの活動を紹介するうえで、その報告書を転載させてもらいます。プロジェクト代表の学生が、その「秘められた想い」とともに書き上げた報告書です。とはいえ、「秘められた想い」はそんなに隠れているわけでもなく、「県からの委託事業だったのに、そんな結論を前面に出して大丈夫なんですか?」、とそれに気づかれる方も…(実際、そう声をかけてきた方もいました…笑)。学生さんの自由でしなやかな批判精神はすばらしいです!

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葛尾村斎藤里内応急仮設住宅プロジェクトⅡ
「復興」は、ここからはじめよう。
活動最終報告書

2015年3月

福島大学ビックブラックゼミナール

○「葛尾村斎藤里内応急仮設住宅プロジェクト」のはじまり

 私たち、福島大学現代教養コースのビックブラックゼミナールでは、2013年度から2年間、福島県三春町にある葛尾村の「斎藤里内応急仮設住宅」のみなさんとともに、福島県の「大学生の力を活かした集落復興支援事業」の調査・実証実験の活動を行ってきた。
 ビックブラックゼミナールは、福島大学現代教養コースと行政政策学類の学生で作った、この事業のためのゼミグループ。2年間のゼミのテーマは、「偉大な革命家になろう!」というもので、私たちの社会が抱える課題をとりあげ、「お金」の力ではなく「人のつながり」がもつ力で、少しでもよりよい社会を目指す活動と学びを創るゼミである。私たちは、2011年3月11日に発生した東日本大震災後の東京電力福島第一原発事故によって、全村避難を余儀なくされ、三春町の斎藤里内応急仮設住宅に避難された葛尾村の118名のみなさんとともに、仮設住宅のみなさんの「復興」とは何かを考え、この難しい問いに対する私たちなりの結論に基づいて活動を作ってきた。十分なことができたとは思っていないが、この活動を振り返り、その成果を確認するとともに、反省点も見つめ、今後の活動につなげていきたい。

○「応急仮設住宅」における「復興」とは?

 私たちが活動のはじめに直面したのが、「原発災害による避難のために設置された応急仮設住宅における『復興』とは、どのようなものなのか」、という問題である。「仮設住宅における復興」というものが私たちの課題であることは、福島県の事業に手を挙げ、また契約書を交わした時から明らかなことだったが、実際に、「仮設住宅における復興」という言葉で何が意味されているのかは、当初、まったくわからなかったのである。プロジェクトの開始にあたって直面した難問であった。
 テレビや新聞報道など、一般的ないわゆる「世の中」が想定している「復興」とは、たとえば、

・福島県にたくさんの人が訪れるようになる
・福島県産の農産物が売れるようになる
・福島県に復興にむけた(高速)道路ができる

などであろう。こうしたことは、福島県全体の「復興」にとって重要なことかもしれない。さらに、再生可能エネルギーの大規模施設の建設などを、この「復興リスト」に加えることもできよう。
 しかしながら、斎藤里内のように、原子力災害によって全村避難が余儀なくされ、現在仮設住宅にお住いの方々にとって、とりわけ高齢者の皆さんの日々の生活にとって、こうした「福島県全体の復興」が、実際に、どのような意味があるのか、と私たちは考えざるを得なかった。
 たとえば大規模な太陽光パネルの設置が「福島県の復興」にとっては大切なことでも、仮設住宅に住む方々にとって意味がないなら、この「復興」は、仮設住宅に住む人々を素通りして進む「復興」ではないだろうか。「仮設住宅における復興」を課題とする私たちは、ここ斎藤里内仮設を素通りすることのない「復興」を目指すべきではないのだろうか。
 この思いが私たちの活動の出発点となった。私たちにとって「復興」とは、仮設住宅やその住民の皆さんを素通りするのではなく、まず避難せざるを得なくなった人たちにとって、直接意味のある復興でなくてはならない。「復興はここからはじめよう」、これが私たちの合言葉となった。そして、私たちが目指す復興は、斎藤里内仮設に住む人たちが、以前の葛尾村での「日常生活」を可能な限り取り戻すことから始めることが大切だということに気が付いた。そこから出発して、最終的にそれが福島県全体の復興につながるのかどうかは、あらかじめ見通すことはできない。しかし、そこから始めなければ、この災害によってもっとも大変な思いをしている人々を置き去りにした、空疎な「復興」になりかねないのではないか。そして、「ここからはじめる復興」は、そうした試みが各地で積み重ねられることによって、きっと福島全体の復興へとつながるはずだと考える。
 私たちビックブラックゼミナールの目指す活動は、仮設住宅に住む人たちが以前の葛尾村での日常生活を取り戻すことを目標とする。仮設住宅という困難な条件の中で、その目標がどこまで可能なのか、手探りしながらの活動となった。

○2013年度の振り返りから2014年度の活動を創る

 まずは、2013年度の活動を振り返って総括しておく。2013年度は、3つのプロジェクトを実施した(概要は昨年度の報告書を参照のこと)。

(1)緑のカーテンプロジェクト(4月)
(2)梅干しづくり(春~夏)
(3)お正月料理作り(12月)

 2013年度の活動を通じて得られた2014年度への活動指針は、以下の3点にまとめられる。
 第1に、プロジェクトは、農業(とそれにまつわる作業)を活動の中心に組み立てること。農業は単なる作業ではなく、農業を通じて「生きがい」「コミュニケーション」「喜び」という生活を豊かにするためのきっかけとして重視するということである。
 第2に、仮設の高齢者は支援の「対象」ではなく、あくまで復興の「担い手」であるということ。仮設住宅にお住まいの高齢者は、決して支援の「対象」ではなく、あくまで復興の「担い手」だということが忘れられがちであるように感じる。仮設住宅の皆さんは、「家族や集落のために自分でできることがあるなら、ぜひやりたい!」という前向きな気持ちをお持ちである。その気持ちを形にすることが重要である。
 そして第3に、葛尾村の人々の日常生活の中に潜む力を発揮してもらうことが「復興」の出発点となる、ということ。葛尾村の人々は、長年の故郷での日常生活のなかで身に着けた様々な技や力をお持ちである。そうした技や力をきちんと掘り起し、それを発揮していただくことで、仮設住宅から始まる「復興」の形を描くことが可能になる。震災によって奪われたこうした日常生活を取り戻すことができれば、仮設住宅を素通りするのでなく、ここから始まる復興が始動するはずである。
こうした2013年度の調査と活動の成果を活かし、2014年度の活動はどう組み立てられるべきか、グループ内でアイデアを出し合い、仮設住宅のみなさんとの協議を進めた結果、2014年度の活動は、「日常生活に潜む力をとりもどす試み」として、以下の4つのプロジェクトを企画し、実施することとした。

(1)緑のカーテンプロジェクトパートⅡ(4月)
(2)味噌つくり・梅干しづくりプロジェクト(3月/4月~8月)
(3)お正月料理&しめ縄作りプロジェクト (12月)
(4)干し柿つくり(12月)

 以下、写真とともに、それぞれのプロジェクトを紹介する。

○緑のカーテンプロジェクトパートⅡ

 2013年度から継続して行った活動。プランターではあるが、ナスやトマトを仮設の住民の方々に育てて頂き、小さな農業を復活させることができた。この写真は、イベント当日のもので、私たち学生と仮設住宅の住民のみなさんとの交流も進み、とても楽しいイベントになった。私たちが、AKB48の「恋するフォーチュンクッキー」を踊り、私たちが手作りしたクッキーをお配りしたところ、そのお返しとして、仮設住宅のみなさんが「葛尾川」という盆踊りを披露してくださったことは、忘れられない思い出となった。

midorinoka-ten
midorinoka-ten2.jpg

○味噌つくり・梅干しづくりプロジェクト

(つづく)

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