ガンバロウ福大!行政の「結」

2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震に端を発する東日本大震災をきっかけに、福島大学行政政策学類の教員有志でブログを開始しました。福大行政に関わる情報共有・情報発信の場として、このブログが、読者のみなさんとわたしたちの、また、みなさん同士の結節点になれば嬉しいなと考えています。一緒に手を携えて、この難局を乗り切っていきましょう。     (2012年3月26日記)

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災害時に「消費者」として…

昼の震災対策室からこんにちは、清水@ブログ庶務担当です。

行政政策学類では、今年度も、新任教員をお二人お迎えしました。
民法担当の中里真先生と、憲法担当の阪本尚文先生です。
(お二人の詳しい経歴については、行政政策学類ホームページをご覧ください)

そして、民法担当の中里さんが、自己紹介がてら記事を寄稿してくださいましたので、本日は、その記事を掲載したいと思います。
後述の通り、中里さんは、民法の中でも「消費者法」分野を研究の柱に据えていらっしゃり、そのことに引きつけた記事となっています。学生のみなさんにとって、「消費者法」という分野を知る良い機会になればと思います。

ではでは、中里さん、よろしくお願いします!


*******

みなさまはじめまして。この4月から行政政策学類に赴任した新任教員の中里(民法)です。

私は、平成14(2002)年4月から宮城で、さまざまな縁に恵まれながら学生生活を過ごし、平成21(2009)年4月からの秋田での教員生活を経て福島へ赴任しました。(宮城・秋田・福島と米どころ(=酒どころ)ばかりを巡っている気もします(^^;))
すでに、人生の1/3は東北地方暮らしという状態になっている関東人です。

私は、民法の中でも契約法を特に研究テーマに据えていますが、中でも消費者と事業者との間で行われる消費者契約に強い関心を持っています。
そこで行われる不当な勧誘や、不適切な契約を是正するための法解釈を研究し、その結果を教育・啓発していきたいという想いでいます。

震災当時は、私は秋田の研究室で学生の進路相談に乗っていました。震源地から遠く離れた秋田市内でも大きく長い揺れを感じ、丸一日程度停電にもなりましたし、(みなさまは驚かれるかもしれませんが、)4月に入るまではガソリンスタンドでは給油制限がなされたうえ、長蛇の列ができていました。

震災当日、停電で情報のほとんどない中、ポータブルラジオやワンセグを持っていた同僚から情報をもらいながらも、とても津波や被害の情報が正しいものとは思えず、まだ今回の震災の恐ろしさを実感できずにいたことが思い出されます。

実は親戚にも津波被害にあった者もおり、震災直後は被災県に入る手段のみならず、こちらから連絡を取る手段もなく、本当に歯がゆい思いをしました。

でも、地震後1週間もしないうちに、防災用として不要な買い物(長期保存食やミネラルウォーター、乾電池等を大量に購入)をしている周りの様子を直に目の当たりにした際はもっと心苦しかったです。
被災地では支援物資を必要としている最中なのに・・・
そんな人たちだって、停電時には並んで必要なものだけ商品を購入していただろうに・・・
そんなことを思っていました。

果たしてそこでは、自分さえよければ良いのだというように心境の変化があったのでしょうか?

単に自分勝手な人もいたでしょうが、きっと未曽有の被害を見聞きして焦り、自らがどう行動すればよいのかわからずに行動してしまっただけという人もいたのでしょう。
 そのように思うのは、震災後しばらくして、地元の新聞の投書欄にて「保存食品や、乾電池をつい購入してしまったが、あとで自分の行動が恥ずかしくなり、支援物資として送りました。」という記事を目にしたからです。

すこし、研究のことと絡めて書かせていただくと、昨年(平成24(2012)年)12月に「消費者教育推進基本法」という法律が制定され、先の6月28日にその実効性を確保するための「消費者教育の推進に関する基本的な方針」が閣議決定されました。

上記「推進基本法」と「基本方針」では、消費者が自立し、各々が社会への影響者であることを自覚して、公正かつ持続可能な社会の形成に積極的に関与していく「消費者市民社会」を形成することを目的とする、とされています。

その「教育内容」は多岐にわたりますが、「基本方針」には災害時の行動についても記載されています。そこでは、根拠が不確かな情報に惑わされないような人材育成が必要であること、災害時などにこそ国や事業者ができるだけ正確な情報を出し、消費者は、そこから得られる情報を批判的に吟味しつつ行動し、そういった行動が被災者を支えることにつながると認識できるような教育をすることなどが述べられています。

また、「基本方針」では消費者教育の担い手に大学も挙げられています(他には小中学校、高校、消費者団体やNPOなど地域団体、国や地方公共団体などがあります)。
そうしたことから、私自身は、法教育といった観点から消費者教育へ光を当てていくことが自分に求められているのではないかと考えています。

法の考え方として、民法分野では、権利主張も行き過ぎであれば、信義則違反や権利の濫用になるというルールがあります。つまり、権利を持っていたとしても法的には常にそれが認められるわけではなく、権利の行使にも一定の配慮と寛容さとが求められるということです。また、契約というのは、ひとりでは決して成り立たず、二人以上の人の「合意」で成り立ちます。どの点に合意が認められるのかを探るのも法学の役割の一つなのです。

こうした法学を通して、消費者には無用な被害にあわないように自立して自らの権利・利益を守る行動を行える人になってほしいですが、その際に、絶妙な配慮・寛容さが備わっているような人材であってくれたならいいなぁ、とも思います。そうした人材育成ができるよう、ここ福島大の教壇に立ち、研究を進めていきたいです。

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