ガンバロウ福大!行政の「結」

2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震に端を発する東日本大震災をきっかけに、福島大学行政政策学類の教員有志でブログを開始しました。福大行政に関わる情報共有・情報発信の場として、このブログが、読者のみなさんとわたしたちの、また、みなさん同士の結節点になれば嬉しいなと考えています。一緒に手を携えて、この難局を乗り切っていきましょう。     (2012年3月26日記)

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「ラッキードラゴン」と「ラッキーアイランド」

夜室長のひろやすです。こんにちは。
二十世紀アメリカを代表する社会派リアリズム画家として知られる、ベン・シャーン(1898~1969年)の20年ぶりの回顧展、「ベン・シャーン クロスメディア・アーティスト」が、現在、福島県立美術館で開催されています(7月16日まで)。公式サイトは→コチラ

ベン・シャーンと言えば、日本では、1954年3月1日、ビキニ環礁付近でアメリカの水爆実験によって被ばくさせられた遠洋マグロ漁船「第五福竜丸事件」を題材にした、「ラッキードラゴン・シリーズ」の作者としてよく知られています。

ベン・シャーンの絵に、詩人アーサー・ビナード氏が文をつけた絵本
『ここが家だ ベン・シャーンの第五福竜丸』(集英社)

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そして、その中でもっとも有名な作品、9月23日に原爆症で亡くなった無線長・久保山愛吉さんを主人公とした作品「ラッキードラゴン」は、福島県立美術館が所蔵しています。詳しくは→コチラ

詳しい経緯は分かりませんが、英訳すれば、「ラッキーアイランド」の福島に、「ラッキードラゴン」の絵があるということに、運命的なものを感じてしまいます。

原爆や水爆といった「核」は戦争の象徴であり、ヒロシマ、ナガサキ、そして第五福竜丸を経験した「唯一の被爆国」日本は、反核・平和運動を進めてきたわけですが、しかしその一方で、同じ核の平和利用を進め、狭い国土、地震大国に多数の原子力発電所をつくりあげてしまいました。

アーサー・ビナード氏は、原発事故の6日前の昨年3月5日に、「原爆の図 丸木美術館」で、第五福竜丸の元乗組員、大石又七さんと対談し、「人類はみな、第五福竜丸に乗っている」と語ったそうです(→コチラ)。

これも偶然なのでしょうか?

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小沢節子『第五福竜丸から「3.11」後へ 被害者 大石又七の旅路』(岩波ブックレット)

今回の美術展は、昨年12月の神奈川県立美術館(葉山)を皮切りに、名古屋市立美術館、岡山県立美術館と巡回し、この6月から福島県立美術館で開催しているのですが、福島にだけは、アメリカの複数の美術館が所蔵している作品がきませんでした(朝日新聞2012年2月26日付)。

この事態に対して、詩人の和合亮一さんが、ツイッターで詩を書いています(→コチラ)。


・ベン・シャーンよ、あなたは、何を想う。あなたの手がけた絵が、福島に届けられなのだ。私は悔しい。ベン・シャーンよ。あなたは、何を想う。私は、悔しい。

・「米美術館 原発の状況考慮」 米国の美術館 7館が 所蔵作品 69点 出品停止 あまりに悔しくて 指が 震えて キーが打てない

・ベン・シャーンよ あなたの精神は このようにも あなたの精神の外に置かれている 人間とはかくも恐ろしい 芸術すら 殺されていく 

・私は 6月に 福島県立美術館の展示室で あなたの絵に 再会するのを 葉山で会った 全ての あなたの真顔と 横顔に会うことを ずっと 心待ちにしていたのだ

・あなたが 裏切ったのか あなたの 絵が裏切ったのか あなたの未来が 私たちを 裏切ったのか ひどいじゃないか私は 涙と指の 震えが止まらない 

・いや ベン・シャーンには 何の罪もない ならば 問う なぜ ベン・シャーンの 全ての絵が 福島には来ないのか

・ベン・シャーンの 精神性こそが 福島とそれをめぐる時間に 最も 必要なことだ

・風は裏切るか 空は裏切るか 海は裏切るか 雲は裏切るか 裏切らない ベン・シャーンが描いた 風は 空は 海は 雲は 人は 街並みは 愛は 強さは 悲しみは 心は 慈しみは 人生は 正しさは 誠実さは 子どもたちの 髪の分かれ目は 路地裏の風は 約束は裏切らない なぜだ

・なぜ 福島の私たちに 「ベン・シャーン」の全てを 与えてくれないのか この世に 芸術は存在しないのか 正義は存在しないのか 私たちは存在しないのか 悔しい

・奪わないで欲しい 私たちから「ベン・シャーン」を 

皆さんも、この悔しさを胸に、ベン・シャーンの精神を求めて、福島県立美術館に行ってみてはいかがでしょうか。

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