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ガンバロウ福大!行政の「結」

2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震に端を発する東日本大震災をきっかけに、福島大学行政政策学類の教員有志でブログを開始しました。福大行政に関わる情報共有・情報発信の場として、このブログが、読者のみなさんとわたしたちの、また、みなさん同士の結節点になれば嬉しいなと考えています。一緒に手を携えて、この難局を乗り切っていきましょう。     (2012年3月26日記)

在学生の今XXII~いわきでの歴史資料レスキュー活動…阿部ゼミ3・4年

昼の震災対策室からこんにちは、しみず@ブログ庶務担当です。
今日は、文化史担当の阿部さんが、記事執筆の手がなかなか進まない夜室長・ぴたさん・おやを見かねて(?)、
いわき市での歴史資料保全活動に参加した学生さんたちの体験談を寄せてくれました。

それでは、阿部さん、さっそく、よろしくお願いします!


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教員の阿部浩一(社会と文化・文化史担当)です。
当ブログでは、昨年7月6日付記事で、本学教員・学生・院生も参加している「ふくしま歴史資料保存ネットワーク」(略称:ふくしま史料ネット)の活動について紹介してもらいました。(こちら
もちろん、現在も活動は継続しています。「うつくしまふくしま未来支援センター」に「歴史資料担当」が設置されたことで、学内外の広範な協力関係のもとにさらなる活動が展開できるようになりました。

今回の記事は、茨城史料ネットの尽力によって実現したいわき市での歴史資料保全活動に、徳竹剛先生(社会と文化・地域史担当)や学生たちと一緒にボランティアで参加したときの話です。徳竹先生は昨年10月に本学類に着任され、ふくしま史料ネットが「先輩」としてお世話になっている「宮城歴史資料保全ネットワーク」の初期から活動に参加し、資料レスキューで豊富な経験を有するなど、とても頼りになる先生です。

今回の作業は2日間にわたって行われ、福大一行は2日目の土曜日に参加しました。なお、前日には考古学から、大学院OBの大栗さん(国見町教育委員会)や院生の金田さんもボランティア参加してくれたそうです。

では、学生たちの体験談をどうぞ(写真の一部は茨城史料ネットの提供によるものです。この場を借りて感謝申し上げます)。
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こんにちは!阿部ゼミです!
私たちは5月19日にいわき市において茨城史料ネット主催の資料レスキューに参加しました。この日は私たちのほかにも、茨城大学の方々を中心に、東北・関東・東海など各地から、2日間でのべ90名ほどの方々が参加したそうです。
5.19朝礼2(10%)

作業はA家の蔵と公民館の二か所にわかれて行いました。蔵での作業は、資料の収納状況を「現状記録用紙」にスケッチし、資料ごとに番号札を貼り付けます。
キャプション付け2(10%)

その状況を撮影した後、作業場へ運び出し、汚れを落とします。その後、番号札とともに撮影し、「概要記録用紙」に形状や資料名、年代や状態を書き込むという流れでした(写真は茨城史料ネットの皆さんです)。
調査風景1(10%)

私たちはこちらの作業には参加せず、作業の終わった資料や蔵の内部を見せていただいたのですが、資料レスキューはただ単に資料の状態を改善するだけでなく、状態・形状などを含めて資料ひとつひとつを把握し記録をしていくというとても慎重さを要する作業だと感じました。

私たちが主に行ったのは、東日本大震災の第八波によって被害をうけた小名浜のB家の方の資料レスキューです。こちらのお宅は魚屋の問屋をしていた関係で、魚屋の伝票、取引先(主に新潟の魚屋や東京の市場)からのハガキが多かったです。
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目録作りとクリーニング作業の手順は、資料がおさめられていた箱ごとに親番号をふり、中に入っていた資料に一つずつ(束ねられているものなどはひとかたまりで)枝番号をふって写真とスケッチをとります。そして番号をつけた資料がどのようなもので、いつごろのものなのかを大まかに目録に記入していきます。最後に資料のほこりなどをはけで払ったり、カビをエタノールで除去したりするクリーニングを行い、どの箱に何番の資料が入っているかわかるように記入して箱につめ完了です。
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私たちは主に資料のクリーニングの担当でした。クリーニング作業は古い資料を傷つけないように、慎重に行いました。資料の数が多かったためハガキ1枚1枚のほこりを払い続ける集中力も必要で思いのほか大変でした。

DSCF1202(10%)

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休憩や昼食をはさんで作業を続け、夕方近くには状況がかなり悪い資料のクリーニングを行いました。この資料は津波から1年以上経っても未だに湿っていて泥の上にカビが生えている状況でした。泥と一緒に資料の紙まではけで傷つけてしまわないように、特に慎重にクリーニングを行いました。最後には資料の多さからドタバタしましたが、なんとかすべての資料の目録作りとクリーニングが終了しました。

【感想】
古い資料を見たことは何度かありましたが、こういった資料レスキューはほぼ初めて行いました。今回私たちは主に資料クリーニングのお手伝いをさせていただきましたが、古いだけでなく被災して傷んでしまったものも多くあり、作業の際には細心の注意を払って臨みました。震災から約一年経っているにもかかわらず、未だに乾いていないものもあったのは驚きでした。資料の中にはその当時の政治や文化、生活等が良く分かるものがあり、人々の関心が向いている情報に、当時のままの形で残されている媒体で触れるということはとても新鮮でした。作業をする中で、先生方をはじめとした他に参加した方々のお話から学ぶことも多くありました。

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【後日談】
今回、保全活動をお手伝いした歴史資料のうち、B家の資料については福島県歴史資料館に移送されました。今後、福島県歴史資料館の本間宏さん(うつくしまふくしま未来支援センター・サポートセンター員)たちの手で、センターから提供した資材も用いて、防カビなどの措置が行われることになっています。

この活動については、大学の授業などでも折にふれて紹介していますが、興味を持った方、一度参加してみたいという方は、阿部までメール(a010※ipc.fukushima-u.ac.jp ※を@にかえてください)で連絡してください。パソコンからふくしま史料ネット(shiryo-net※ipc.fukushima-u.ac.jp ※を@にかえてください)にボランティア登録すると、さまざまなお知らせも配信されるようになっています。

なお、宣伝というわけではありませんが(笑)、5月に歴史学研究会編『震災・核災害の時代と歴史学』(青木書店)が刊行されました。歴史研究者たちが今回の震災を受けてどのようなことを考え、活動してきたか、その一端が示されています。その中で数ページですが、3・11以後のふくしま歴史資料保存ネットワークの活動の経緯と、今後の課題について書きました。福大図書館にも入っていますので、よければぜひご一読ください。

震災・核災害の時代と歴史学1(表)震災・核災害の時代と歴史学3(帯)

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