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ガンバロウ福大!行政の「結」

2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震に端を発する東日本大震災をきっかけに、福島大学行政政策学類の教員有志でブログを開始しました。福大行政に関わる情報共有・情報発信の場として、このブログが、読者のみなさんとわたしたちの、また、みなさん同士の結節点になれば嬉しいなと考えています。一緒に手を携えて、この難局を乗り切っていきましょう。     (2012年3月26日記)

第12回地域社会研究会の開催報告

お昼の震災対策室からこんにちは、お・やです。

「卒業生を励ます会」の記事はどうしたんだと各方面から突き上げられております(汗)が、まずは、その日の昼に開催された地域社会研究会の記事をアップしたいと思います。

お・やも参加したのですが、「東日本大震災の被災地の希望を考える」ということで、みんなで「希望」を考え、共有できるいい機会になりました。

以下、記事を執筆していただいた同窓会理事の斉藤さんにバトンを渡したいと思います。それでは、斉藤さん、よろしくお願いします!

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2011年10月29日に阿武隈会の総会・懇親会が開催されました。その前座として第12回地域社会研究会が行われ、24名の参加をいただきました。このブログを借りまして、その様子について報告をします。

地域社会研究会は、行政政策学類(行政社会学部)の教員と同窓生の有志で始まった研究と交流を目的とした学習会です。これまで、学類(学部)を卒業して社会の第一線で活躍している同窓生による報告を中心に、時にはフィールドワークも行い、学習会を開催してきました。同窓生による「ゼミ」活動というとわかりやすいかもしれませんが、学術的な研究討議を行うことが目的ではありません。参加者各自の仕事や社会に対する問題関心を持ち寄り、そこから学びあうことを目的としています。


今回の地域社会研究会は「東日本大震災の被災地の希望を考える」をテーマに、くらし・行政・地域が崩壊した現実から這い上がる動きに注目し、二人の方にそれぞれの被災地の復旧・復興にむけた取組みを報告していただきました。

一人目は学類4年生の高橋あゆみさんです。高橋さんは福島大学災害ボランティアセンターで活躍している中核的なリーダーのひとりです。福島大学災害ボランティアセンターは、福島市や南相馬市で被災児童のための遊び支援や仮設住宅支援、コミュニティ形成支援等に取り組んでいる団体です。福島大学災害ボランティアセンターの支援活動を支えたのは、志を同じくする人や団体とのネットワークだったと言います。最初は学内のボランティアサークルが集まって、その連合体を結成したことから始まり、そこから他大学の学生や県内の様々な「社会人」団体との連携の輪を広げていきました。そうして築いた人や団体とのネットワークが、単にマンパワーだけではなく、互いの支援活動をサポートしていくための資金・物資・アイデア等を相互に交換するようになっていったそうです。

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[報告する高橋さん]

二人目は2001年度卒の同窓生の大和田智広さんです。大和田さんは岩手県の陸前高田市の職員で市の広報を担当されています。多くの市民そして市職員が大津波に飲み込まれた中、大和田さんは地震直後に上司の命により津波の様子を撮影しようと高台に上がったことが幸いして助かったそうです。そして、津波で多くの上司・同僚を亡くした悲しみを乗り越え、生き残った大和田さんご自身の使命感をバネにして、寝食を忘れて公務に没頭したそうです。震災1週間後から「広報りくぜんたかた臨時号」を51日間毎日発行し続け、広報を通じて市民生活を支えたことを紹介してくれました。被災地の状況は毎日めまぐるしく変化し、その都度、市民から新しい情報が求められたと言います。大和田さんは当時の状況を「激流のごとく1日1日が過ぎていくため、毎日発行するしかなかった」とふりかえっていました。

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[報告する大和田さん]

高橋さんと大和田さんの報告の後、4つの班に分かれて参加者同士が語り合う時間となりました。そこでのテーマは、A)高橋さん・大和田さんへの質問、B)被災地の希望をどう考えるか、の2つです。それぞれの班で時間を延長するほど話し合いが盛り上がり、私は進行役としてそれを中断させてしまうのが心苦しいほどでした。

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[ワークショップの様子]


それぞれの班で話し合われたことを、一部ですが紹介します。

まず、高橋さんへの質問としては、①学生の立場から見て、社会人にしてほしいことは何か。②ボランティアを継続していく秘訣は何か。③被災地で課題と感じていることは何か、などの質問が出されました。

これらに対して高橋さんは、①社会人だからこそ持っている「人」や「情報」を、学生に教えてほしい。行政の方なら、どうすれば行政が学生の味方になってくれるか、そのための行政の動かし方を教えてほしい。②いつも自分の胸の中には「気づいた人の責任」という考えがある。ボランティアを続けるのは、気づいてしまった責任を感じているからだ。③コミュニティ形成支援をしていて、新住民と旧住民の確執を目の当たりにする。これをいかに緩和していくかが課題だと思う。このように応答してくれました。

次に大和田さんへの質問は、①職員が少なくなって困ったことは何か。②企業に臨んでいることは何か。③どうして頑張り続けることができたか、などの質問が出されました。

これらに対して大和田さんは、①被災後の業務は、失くしたものを取り戻す仕事よりも、震災によって新たに生じた仕事のウエイトの方がはるかに大きい。その上、業務遂行に必要な基幹的なシステムがダウンし、サーバーのバックアップもない中で仕事をしなければならなかった。つまり、職員数は減ったのに、業務量は増え、効率は悪くなったということだ。この点が一番困った。②ピンチはチャンスと言うが、被災地には多くのビジネスチャンスがあるし、そうした希望があると思う。また、陸前高田市の来春の採用は例年よりも増える見込みだ。ぜひ福大からも陸前高田市へ就職してほしい。③天国の仲間が応援してくれたから。このように応答してくれました。

また、被災地の希望については、被災地にある、あるいは被災地に集まる復興への気持ちこそ“希望”、そういう気持ちを引き出す仕掛けやつながりこそが“希望”という意見が寄せられました。さらに、大震災により、衣食住、電気・水道などが、人の営みの原点につながる大切なものであることを実感。しかしそれらが崩壊して、より鮮明に見えてきた地域の中の“自治”・“共同”が、衰退したと言われつつも、今なお残っており、そこから現実を変えていこうとする動きが芽生えてくることに希望を見出すことができた、という意見も出されました。

全体を通して、参加してくれた多くの方々が、東日本大震災から這い上がるための希望を、人とのつながり、団体や地域の連帯性に見出していたことが印象的だったように私は感じました。巨大地震と津波は、目に見えるモノ――物質的な豊かさ――を破壊しました。しかし、その一方で、私たちは目に見えないモノ――精神的な豊かさ――の大切さを改めて気づくことができたのではないでしょうか。今回の地域社会研究会は、この気づきを参加者みんなで共有できたことが成果だったと思います。


*以下、当日作成した班ごとのワークショップのまとめです。

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