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ガンバロウ福大!行政の「結」

2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震に端を発する東日本大震災をきっかけに、福島大学行政政策学類の教員有志でブログを開始しました。福大行政に関わる情報共有・情報発信の場として、このブログが、読者のみなさんとわたしたちの、また、みなさん同士の結節点になれば嬉しいなと考えています。一緒に手を携えて、この難局を乗り切っていきましょう。     (2012年3月26日記)

法学専攻のイケメン、再び現る(今度は相続法だよ♪)

真夜中の震災対策室からこんばんは、しみず@ブログ庶務担当です。
ぴたも夜室長も帰ってしまい、震災対策室は静まり返っています…

なんでオ・やは居るのかって???それは、その…レポートの採点をしているからです(汗)。

そんなわけで(?)「2011夏、ようこそ福大へ!(後編)」もアップできていません…

…と、そこに、この現状を見かねたのか、再びわが法学専攻のイケメンが記事を寄稿してくれました。

では、イケメン先生、よろしくお願いします♪


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 こんにちは。行政政策学類で民法を担当している○○です(先日過分にも「イケメン」と命名していただきました)。

 さて、早速ですが、福島大学で法学を勉強されている方のために、2つ情報提供をいたします。どちらも数ヶ月前のもので、既にご存知の方もたくさんいらっしゃるでしょうが、もしかするとまだご存知でない方もおられるのではないかと思いましたので。一つは民法の相続に関わること(I)、もう一つは法情報の検索に関わることです(II)。もっとも、Iについては、法学を勉強されない方にも重要なことかもしれません。


I. 東日本大震災に伴う相続の承認又は放棄をすべき期間に係る民法の特例に関する法律

 要するに、相続するか否かを熟慮するための期間を一定の場合につき延長する法律です。まず、相続の承認や放棄について簡単に説明しましょう(A)。その次に、この法律の概要を説明します(B)。

 A. 熟慮期間の概要

 例えば、「私」の父が亡くなったとします(あまり考えたくないですが)。すると、父が有していた全ての財産につき、新たな帰属先を確定するための手続きが開始します。それが「相続」です。常識的な事柄ですが、もし亡くなった父に配偶者(「私」の母)がいて、子が自分だけなら、「私」と母が相続人となります。
 相続人は被相続人(亡くなった父)の財産を承継します。父が有していた預金や不動産などがその対象となるのはもちろんです。ところが、それに加えて父が有していた「借金」(債務)も相続の対象となります。

 本来、父の財産は父のものであって、「私」のものではありません。借金もそうです。父の借金を肩代わりする謂われはありません。しかし、父が死亡して相続が開始すると、父のプラスの財産に加えて、借金まで「私のもの」になってしまう。少額であればそれほど問題はないかもしれません。しかし、明らかに借金が多額の場合は、「私」に拒否権があって然るべきでしょう。それが相続の「放棄」です。
 具体的には、「私」は相続の開始があったことを知った時から3ヶ月以内に家庭裁判所で相続放棄の手続きを行います。そうすると、「私」は最初から相続人ではなかったものとして扱われます。つまり、父のプラスの遺産もマイナスの遺産も承継しない、ということです。
 ちなみに、父がプラスの遺産も残してくれているのであれば、「プラスの遺産の範囲内で借金も承継してよい」と考えることがあるかもしれません。その場合は「限定承認」をする必要があります。この限定承認も、相続開始を知った時から3ヶ月以内に家庭裁判所において手続きを行う必要があります。

 つまり、相続が開始した場合は原則として3ヶ月以内に態度を決する必要があり、その期間(「熟慮期間」と呼びます)が経過してしまうと、「単純承認」つまり被相続人(ここでは「父」)のプラスの遺産もマイナスの遺産も承継することになるのです。

 B. 熟慮期間の延長

 ところで、放棄にせよ限定承認にせよ、一定の書類を準備して家庭裁判所で手続きを行う必要があります。おそらく準備にはそれなりの時間がかかるでしょう。しかも、被相続人の財産状況が明らかでないと態度を決めることもできません。しかし、今回の震災で「相続人」が被災してしまった場合、3ヶ月以内に態度を決めるのは、やはり困難というものです(例えば、震災で父を亡くした場合、或いは、震災の2ヶ月前に父を亡くした場合などを考えてみてください)。

 そこで、表記の特例法は、「相続人」が東日本大震災で被災した場合、3ヶ月の熟慮期間につき、その延長を認めています。具体的には、

「東日本大震災に際し災害救助法が適用された市町村の区域(東京都の区域を除く)に平成23年3月11日において住所を有していた者である東日本大震災の被災者」であって、
「平成22年12月11日以後に自己のために相続の開始があったことを知った者」につき、
「相続の承認又は放棄をすべき期間を、平成23年11月30日まで延長」します。

 いくつか注意点を記します。
・さしあたり福島県であれば、全市町村が対象区域です(それ以外の地域については、ご自身でお調べください)。住所を有する必要はありますが、必ずしも住民票が要求されるわけではありません。
・「被相続人」ではなく「相続人」が被災者である必要があります。
・既に単純承認をした場合や、相続財産の全部又は一部を処分した場合(例えば、売ってしまった場合等)は、3ヶ月の熟慮期間の経過前であると経過後であるとを問わず、放棄や限定承認をすることができなくなります。

 さらに詳細な情報が必要な場合は、法務省のホームページをご覧ください。


II. レクシスネクシス・ジャパンのサポートプログラム
 
 次は法情報に関する情報提供です。
 福島大学の学生にはあまり馴染みがないかもしれませんが、レクシスネクシスは法情報のデータベースです。もちろん日頃は有料なのですが、期間限定で被災した学生のための支援プログラムが実施されています。利用可能なサービスは判例やその解説の検索といった基本的なものに限られますが、期間中は無料で利用できます。詳細は、次のURLをご参照ください。

「東日本大震災 被災学生・研究者サポートプログラム」

 申込みフォームに入力して送信すると、後日、担当者から連絡があります。

 なお、申込みや使用にあたっては、規約やマニュアルをよくお読みください。また、不正使用等なさいませんよう、重々お気を付けください。

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