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ガンバロウ福大!行政の「結」

2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震に端を発する東日本大震災をきっかけに、福島大学行政政策学類の教員有志でブログを開始しました。福大行政に関わる情報共有・情報発信の場として、このブログが、読者のみなさんとわたしたちの、また、みなさん同士の結節点になれば嬉しいなと考えています。一緒に手を携えて、この難局を乗り切っていきましょう。     (2012年3月26日記)

「気持ち」を「形」にするには…愛媛・松山での復興支援②

 昼の震災対策室から大黒です。こんにちは。
 ずいぶん前の記事になってしまいましたが、愛媛・松山での復興支援活動についてお話いただいた楠橋さんへのインタビューの続編(①については、コチラ)をアップします。
 生まれ故郷愛媛県で、地元の大学生との活動を通じて感じたことを語ってくれています。
 「気持ち」を「形」にする難しさ、「何かやりたい」という想いを具体化する際に感じるかもどかしさが良く伝わってきます。被災地にいる学生さんが、今、まさに直面している課題かもしれません。
 最後に、インタビューを終えたひろやすの感想も掲載しています。

*****
(ひろやす)活動をやってみて、「学生ならでは」と思ったところはありますか?

(楠橋さん)学生って、専門とすること(~ができます!)ということがないかもしれないんですけど、その分可能性があるというのが強みかもしれません。いろんな活動ができる、ということもあるんじゃないでしょうか。学生同士のつながりを生かして、広くいろんなことにチャレンジできるというのはあると思います。いろんなことをやっていくことで自分の力になっていくのではないでしょうか。
 ただ、その「これができます!」ということがないってことは、弱みだってことにもなるとは思います。

(ひろやす)先日、京都の佛教大学に行ってきたのですが、佛教大学には社会福祉学部があって、日頃から支援活動をやっているようです。そんな中から、震災後に現地にいって活動するという動きが自然にでてきたようですが、愛媛大学から現地にっていう人はいましたか?

(楠橋さん)松山大学からは、「現地に行こう」という人やグループもいたみたいですね。自分たちは、ボランティアに行くにしても自己完結でやらなければいけないので難しいと考えていました。むしろ、「愛媛にいてできること」をやろうというコンセプトだったので。ただ、今回、私も福島に住んでいるので、私たち二人のところを回る感じで、夏休みに行ければいいよね、という話はありました。

(ひろやす)愛媛大学への転入を考えたって噂を聞いたんですが…

kusuhashisan[1]
<愛媛新聞6月16日記事>

(楠橋さん)転入までは考えていないんですよ(笑)、あれは新聞に勝手に書かれたんです。
 単位互換のことを考えていました。福島大学も単位互換の制度があるということだったし、愛媛大学でも無償で受け入れます、ということを言っていたので、愛媛大にも実際に話を聞きに行ったのですが、大学の人も事情を良く知らず…話に行きつくのにも一苦労で、それで萎えてしまって…。最終的には、「福島大学がいいといえばいいですよ」、ということになったのですが。

(ひろやす)それでも戻ってこようということになったのは?

(楠橋さん)福島大学を休学しようと思っていました。そこで教務課に相談したのですが、「そういう理由では認められません」という反応でした。それに、単位互換はもともと提携しているところしか認めていない、とのことで、「帰るしかないか…」と思うようになりました。
 今では、「福島でできることも多い」と思いなおし、自分ができることはこっちにいてこそだろうし、愛媛の人も活動しやすくなるかもと考えています。

(ひろやす)休学や単位互換については、学類ごとに対応が違うようです。うちの学類の対応は(…ごにょごにょ)。学類内では、休学にしても単位互換にしても、自由に認めるべきだという意見も根強いのですが。

(楠橋さん)単位互換のことについては、学長が参加する説明会で、「個別に相談してほしい、やります」、との反応もあったのに、そういう結果になり、「えー、そうなの~」、と思ったこともありました。

(ひろやす)ボランティアには以前から関心があったんですか?

(楠橋さん)もともと関心があったわけではなく、今回のことがきっかけですね。それに、自分はボランティアを始めようと思って始めたわけではなく、「何かできないか?」という思いだったんです。

(ひろやす)周りにもそういう人は多いですか?

(楠橋さん)あまりいないですね。部活やバイトをしている人が多くてなかなか手が回らないみたいです。仲間探しをしたいとは思っています。ですが、今は、私生活とボランティアとのバランスが分からなくなっている状況です。手を広げすぎて自分でできるのかと思うと躊躇があって、自分のなかでも何をしたいのか、きちんとはまとまっていません。

(ひろやす)福島に戻っていくということについて、ご両親とかから何か言われましたか?心配しているでしょう。

(楠橋さん)親は、心配はしていますが、ずっと自由にさせてくれているので、止められることはなかったです。「マスクするように」、とは言われていますが。

(ひろやす)福島に帰ってきてからはどうしていますか?

(楠橋さん)NPOサポートセンターの人に相談したところ、「ハートネット福島」というところを紹介してもらい、週末に避難所に行ったりしているくらいです。他の学生と一緒に何かできないかと思っていたところ、人間発達のボランティア報告会があることを知り、行ってみました。いろいろと連絡してやってみようかな、と思っている段階です。宮城教育大学での震災全国ミーティングで、NPOの人と会ってみて、沖縄の学生さんとつながるなどいろいろとやりたいとは思っているのですが。

(ひろやす)大学内にもKey'sという団体があったり、浜通りでのビーチクリーニングというアイデア、三重県の団体と協力した子どもプロジェクトなど、いろいろあるようです。

(楠橋さん)そうですか。連絡してみたいです。
 他にも、愛媛のお世話になった組織とは、今でも避難所に行った報告などをする関係です。ここにいる大学生で何をやるのか、また、福島を支援したいという人にどういう情報を出してモチベーションを持ってもらうのか、ということも大事なことかもしれません。
 でも今は、学生のやるべきことがなかなか形になってこない、見えそうになったら手を出して、それを探し出すのが精いっぱいというところです。
 新聞記事が出た後、中学校の担任の先生から連絡があり、福島のことを話してくれないか、と声をかけてもらいました。今後打ち合わせをすることになっていますが、震災体験を語ることもできますね。

(ひろやす)学生さんの自主的な活動を、大学が支援するその方法にはどういうものがあると思いますか?経済的にも大変なんじゃないですか。

(楠橋さん)経済的な問題もそうですが、学生だけだと突っ走ってしまう部分もあると思うんです。教員の助言など道を示してもらえるようなことがあってもいいのではないでしょうか。また、企画へのちょっとしたヒントなどがもらえるとうれしいですね。そうすれば入口としてとても入りやすくなるように思います。

(ひろやす)長時間ありがとうございました。
 最後に…愛媛出身の楠橋さんといえば、「みかんご飯」と「高速瞬き」ということになっているみたいです(笑)。紹介してもらっていいですか?

(楠橋さん)え~!
 みかんご飯というのは、お米をポンジュースで炊く、というものです(みかんを入れてもいいんですよ)。粒入りポンジュースを遣うのがいいみたいです。自分も食べたことはないんですが、噂では学校給食で出るところもあるらしいです。うちは、実家から、1ケースずつ、粒入りと粒なしのポンジュースが送られてくるんですよ。欠かせません。
 高速瞬きは…ちょっと待ってください。「加速段階」から「最速状態」までは助走が必要なんで…こんな感じです。

(ひろやす)ひえ~、すごい!。

*****

インタビューを終えて

新聞記事には楠橋さんが福大生と書いてあったのですが、どこの学類生か分からず、ネットで検索してみたところ、陸上競技部所属の人間発達文化学類生であることが分かりました。部員紹介には、好物が「みかんごはん(!?)」、特技は「高速まばたき(!?)」と書いてあり、ぴたもひろやすも、楠橋さんのインタビューを心待ちにしていました。

実際にお会いした楠橋さんはとても爽やかで、てきぱき話してくれました。被災後の福島から苦労して郷里に戻り、翌日からはさっそく支援活動に取り組んだと聞き、そのバイタリティにはビックリしました。さすが、スポーツウーマンですね。

楠橋さんのお話からは、何かしなければと考えうる限りのことに取り組み、「学生ならではの支援」のあり方を真剣に模索している姿が伺われました。

夜室長は、インタビューを通じて二つのことを感じました。
一つは、学生さんには、ボランティアのような、いますぐできる即効性のある取り組みだけではなく、中長期的な視点で、広い意味での「支援」に取り組んで欲しいということです。たしかに目の前で困っている人を助けたい、役立ちたいと思って行動することは貴いことですし、それによって救われる人がいて感謝されれば達成感・満足感もあるでしょう。
でも、自身のネットワークを広げるとか、さまざまな経験を積むとか、自分の専門の学びを深めるということも、それに劣らず重要であり、被災者・被災地支援の視点を見失わなければ、けっして個人的な満足では終わらず、「支援」につながるのではないかと思います。

もう一つは、そのような学生さんの多種多様な取組みについて情報を共有することです(このブログはその一端を担ってきましたが)。
福島大学は学生数約4千人のこじんまりとした大学ですが、その中で、学生さんがどのような活動をしているのか互いに知る機会が少ないような気がします。
今回、楠橋さんの活躍についても、同僚が送ってくれた愛媛新聞の記事を通じて初めて知りました。ボランティアについては福島大学学生災害ボランティアセンターが立ち上がりましたが、それ以外の取組みについても、情報共有の場が欲しいと感じました。そのような場を通じて、さまざまなアイディアが生まれ、支援の輪が拡がっていくのではないかと期待しています。

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