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ガンバロウ福大!行政の「結」

2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震に端を発する東日本大震災をきっかけに、福島大学行政政策学類の教員有志でブログを開始しました。福大行政に関わる情報共有・情報発信の場として、このブログが、読者のみなさんとわたしたちの、また、みなさん同士の結節点になれば嬉しいなと考えています。一緒に手を携えて、この難局を乗り切っていきましょう。     (2012年3月26日記)

『世界』にデビュー!―「ぶどう棚」の運命や如何に?

ある日の震災対策室。向かい側に座って何かを読んでいた「ぴた」が、おかしな声をあげました。

ぴた「れれーっ! 夜室長、見てくださいよ。ぶどう棚のことが記事になっていますよ!」

目をやると、ぴたの手には、岩波書店が発行している雑誌『世界』が。

ひろやす「すごいじゃない。ついに本学類のぶどう棚も『世界』デビューか。ワールドワイドだね。今年は、ワインを仕込んでお祝いでもしようか?」

でも、ぴたは浮かない表情。
「これってどうなんでしょうね?」

「どれどれ。ちょっと見せてくれる?」
ぴたから、雑誌を受け取って見てみると・・・

「ぶどう棚」のことが取り上げられたのは、『世界』8月号。神保太郎氏『メディア批評』第44回(122~129頁)の中の「福島『低線量被曝』の不安を伝えているか」という記事。
そこでは、松本市長が提言した「学校の集団移転案」や、福島県における集団移転をめぐる状況について紹介された後に、「福島大学長の不可解な『メッセージ』」という項目・・・なんとなく嫌な予感。

まずは、3月25日と4月21日の学長メッセージが紹介された後、批判的に論評されていました。「大学自身の見解はないままで、福島大学長は一体、どんな『成果』を上げようと考えているのだろうか。よもや学生を文科省の実験材料にしようというわけではあるまい。」

つぎに、6月上旬、福島大学の准教授らが学長の見解を根本から批判する声を足元からあげたことを紹介して、若い学生の健康問題については、一大学の中のローカルな問題ではなく、マスメディアが積極的に取り上げるべき問題との主張。

そして、いよいよ「ぶどう棚」の登場。
「ここまで書いてきたとき、福島大学の6月13日付『ガンバロウ福大! 行政の「結」』というブログが目に止まった。震災をきっかけに、同大学行政政策学類の教員有志が始めたものらしい。13日付のブログでは、キャンパスの『ぶどう棚』の放射能汚染作業が行われたことが報告されている。」として、除染作業の効果についての文書が引用されています。

しかし、そのあとには、筆者の次の見解が。
「学生の健康面と言う視点から、そもそも、できるだけこうした場所から遠ざかった方がいいのではないか、と考える。教職員の努力には頭が下がる思いだが、にもかかわらず、健康面を最優先するなら、こうした高い線量の場所から若者を遠ざけたほうがいいのではないか、と考える。」

読んだら、夜室長、なんだか力が抜けてしまいました。
威勢のよい若手教員(実は、ぴたも若手教員ですが)とは違って、学生の健康問題のことは棚上げにして、自分たちの果樹園を守ることばかり考えている、身勝手で脳天気な教職員の「不可解な行動」みたいじゃないですか(怒)。

6月13日付のブログに紹介されていますが、もともとぶどう棚は、学類20周年を記念して、学生の憩いの場として、ぴたが学生や農家の方と一緒につくったものです。震災前には、ぶどう棚の下に設えられたテーブルとベンチで学生がお弁当を広げたり、語らったりする姿がよく見受けられました。

震災後も、大学の授業が始まると、日陰を求めて学生たちがぶどう棚に集まってきました。草むらなどの放射線量が高いことを知り、学生の健康を守るために、ぴたは自分でできるところから除染作業に取り組んだのです(ちなみに、現在、学生が近づかないように、テーブルとベンチは使用できない状態にしています)。
除染の結果、ぶどう棚周辺では線量が一定程度下がりましたが、その目の前の、学生が歩きベンチが置かれている講義棟前の透水性ブロック(こちらはまだ大学として除染作業に取り組んでいない)のほうが、線量は倍も高い状況が続いているのです。

行政教員有志は、授業開始の1ヵ月以上前から、福島市以外での授業開講の可能性を検討するように要望してきました。ですから、「移転・避難・疎開」といった考え方についても十分理解しているつもりです。しかし、すぐにそれを実現するのが難しいのであれば、できることから取り組んでいくというのが私たちの姿勢です。

神保氏の「こうした線量の高い場所」というのが、ぶどう棚周辺を指すのか、大学キャンパス全体を指すのか不明ですが、前者であれば認識不足であり、後者であれば情報不足だと思います。

同じ「太郎」でも、ずいぶんと違いますね。
若者の健康問題を取り上げてくれるのは有り難いですが、現場に来て実態を見てから「批評」をしてほしかったと思います。

さて、先週土曜日のブログに、ぴたは、ま昼にもかかわらず、「午前中にぶどう棚の除染活動をして疲れ果て、もう寝る前の夜の気分になっている」と書いていましたね。
いったい何をやっていたんでしょうか?

budoudana7.jpg

現在のぶどう棚周辺の様子です。
雨が降って気温が上がると、またまた一気に草が伸びてきます。
草取りは欠かせません。

mimizu.jpg

何かを手にして嬉しそう?
手にしているのはなんでしょうか? 
「讃岐うどん」ではありません、立派なミミズです(笑)。

ミミズが増えてきたということは、土が肥沃になってきたということ。
みみずが落ち葉を土に変えてくれています…とはいえ、放射性物質を取り除かなくてはならないので、みみずだけ救って、落ち葉=土は処分に回します。
ミミズが放射能物質も分解してくれるといいんですが・・・

budou.jpg

いまのぶどうの状況です。
いつもなら、ぶどうの袋かけをしている時期ですが、
今年は、袋も、ハクビシン対策のネットもかけないみたいです。

一躍、『世界』的に有名になった「ぶどう棚」ですが、
秋には、どんな景色が拡がっているのでしょうか?

【番外編】

現在、福島県内のあちこちで、放射能除染活動が展開されています。農地、グラウンド、通学路、民家など、場所に応じてその手法はさまざまです。
コンクリートやアスファルトの舗装面については、降雨によってだいぶ汚染物質が洗い流されていますが、凹凸がある場合には、その隙間に入り込んでしまっています。
高圧水洗浄である程度は取れますが、水の飛び散りや下水汚染の問題もあるので、ガムテープや洗濯糊による除染も試みられています。

16日(土)午前に、ぴたとひろやすの二人は、ガムテープによる除染を試してみました。

場所は、ぶどう棚前から行政=経済棟北側駐車場に抜ける通り道(アスファルト面)。
放射線量は、地表面で1.5μ㏜くらい。

まずは、ホウキできれいに掃くと、1.2~1.3μ㏜。少し下がりました。

次に幅10センチのガムテープを貼っていきます。
長さ3メートル、幅1.5メートル。
あっという間に、ガムテープ1.5巻(≒野口英世1枚)がなくなってしまいました。

jyosen.jpg

きれいに貼ったら、上から「ぴた、ぴた」と押さえつけていきます。
這いつくばって素手で叩き、靴を脱いで摺り足でズルズル。

jyosen2.jpg

もうこうなると、被曝なんて気にしていられません。

そして、いよいよガムテープを剥がします。

jyosen3.jpg

だいぶゴミはくっついているように思いますが、いざ測定してみると・・・

ウーン、変化がありませんね。残念!
一生懸命押さえつけたのですが、細かい隙間には粘着部分うまく届かなかったようです。
やはり、液体のほうが効果があるのでしょうか。それとも、アスファルト面については、表面を削るか、上から塗り重ねてしまったほうがよいのでしょうか。

「ガムテープは表面によっては効果がない」ことが分かったのが、唯一の成果でした。
「草臥れ儲け」とはまさにこのことでしょうか。
ぴたさん、放射線量の低いところで、ゆっくり休んでくださいね。

コメント

はいはいワロスワロス

  • 2011/07/20(水) 18:37:02 |
  • URL |
  • 信夫の尾崎 #Ohw5.t0c
  • [ 編集 ]

原子力研究開発機構と協定を締結?

なんと驚いたことに、本日、福島大学と日本原子力研究開発機構が協定を締結したとのこと。

福島大学や某県医大(かの100ミリまで大丈夫氏が副学長に?)も「原子力村」の片隅に配置されて、研究予算をいただく代わりに、誰も物も言えぬ状態になってしまうのでしょうか。

学長や当局はいったいどこを向いているのでしょうか。真っ先に考えるべきは学生や地域住民のことではないのでしょうか。大学が「学問の府」「科学の砦」ならば、それは誰のために行使するためにあるものでしょうか。

1000人プロジェクトといい、今回の件といい、まったく残念です。お前に関係ないと言われればそれまでですが、自分の子供を学ばせる場としてふさわしいのか、疑問は膨らんでおります。

関連 下記ブログにて
http://ginga123.blog.ocn.ne.jp/blog/

  • 2011/07/20(水) 20:23:06 |
  • URL |
  • 福大生の親 #-
  • [ 編集 ]

はじめまして。
夜の対策室長様に十数年前大変お世話になった行社OBの者です。
震災後の福大の動きがなかなか報じられないことに隔靴掻痒の感を抱いていましたが、皆様いろいろと頑張っていらっしゃるようで、嬉しく思います。
皆様方の今後のご活躍を、期待してやみません。

  • 2011/07/22(金) 00:49:22 |
  • URL |
  • CAPTAIN #lzXuAO9U
  • [ 編集 ]

大学と保護者の懇談会開催について

大学では8月7日(日)オープンキャンパスの際に「保護者の方と学長との懇談会」の時間を設けました。また、この懇談会終了後には「放射能相談コーナー」を設け、副学長が直接保護者の方のご質問にお答えする時間も設けました。

在学生の保護者も参加可能ですので、ぜひ直接学長と懇談してみましょう。



【保護者の方と学長との懇談会】
午前の部:11時00分~12時15分、M22教室(M棟2階)
午後の部:13時40分~14時55分、M22教室(M棟2階)

【放射能相談コーナー】
12時15分~13時15分、M22教室(M棟2階)
14時55分~15時55分、M22教室(M棟2階)

  • 2011/07/30(土) 11:19:25 |
  • URL |
  • 福島大学安全安心な教育環境をめざす保護者の会(仮称) #-
  • [ 編集 ]

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