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ガンバロウ福大!行政の「結」

2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震に端を発する東日本大震災をきっかけに、福島大学行政政策学類の教員有志でブログを開始しました。福大行政に関わる情報共有・情報発信の場として、このブログが、読者のみなさんとわたしたちの、また、みなさん同士の結節点になれば嬉しいなと考えています。一緒に手を携えて、この難局を乗り切っていきましょう。     (2012年3月26日記)

避難訓練と笑顔

 こんばんは。
 あとで誰かに怒られるのが嫌なので、今日は誰がこのブログを書いているかは内緒にしておきます。
 今日の記事を読んで、これを誰が書いたのかをぴたっと当てられる人は、すでにこのブログの常連さんですね~(笑)。

 さて、今日は避難訓練と学長の「1000人の笑顔プロジェクト」の日でした。
 避難訓練は、今後再び大きな地震が福島を襲った場合に備えて実施するものです。避難訓練の実施については、行政政策学類震災対策室も早くから実施を要望し続けてきたもので、ようやくそれが実現しました。

 全学が企画した今回の避難訓練(11時45分~)は、講義棟のみを対象としたものでしたが、講義棟以外の場所、たとえば行政政策学類棟にいる学生・教職員も多いことから、学類棟にいた33名の学生教職員(とお客さん)にも酷暑の避難訓練に参加してもらいました。

gyoseihinan.jpg

 避難訓練の日として水曜日の2限目が選ばれたのには理由があります。
 福島大学は、月曜日から金曜日の1~7限目と土曜日の3・4限目が授業時間として設定されていますが、水曜日の2限目というのが、最も実施されている授業数・学生数が多いのです。避難訓練を実効あるものにするためには、多くの学生に参加してもらいたい、というのが今日の11時45分という時間設定をした理由です。
 なるほど。

 もちろん、「1000人の笑顔プロジェクト」のために今日が選ばれたのにも理由があります。
 それは、今日が避難訓練の日だったからです。
避難訓練に合わせて「1000人の笑顔プロジェクト」が企画され、実施されました。

 え、「1000人の笑顔プロジェクトって何?」って?知らなかったですか?
 それは、この間のひろやすとぴたの会話みたいな話ですね。
 ちょっと振り返ってみましょう。

******

<先週、本部棟横の車庫前駐車場に突如、大きな穴(縦横15m、高さ1.5m)が出現!>

ana.jpg

ひろやす:「ぴた、あれは何の穴なの? 落とし穴? それとも埋蔵金の発掘現場?」

ぴた:「夜室長は、職員掲示板を見ていないんですか。7月6日から8月2日までの間、金谷川キャンパス内の放射線量を低減させるため、U字型側溝に溜まった落ち葉や土砂等を除去する作業をすることになったんですよ。あの大きな穴は、そのときに出る土砂を保管するための穴です。」

ひろやす:「ようやく大学での除染作業が始まったのか。僕らがゲリラ的に除染活動をしてからずいぶん経つよね。やるにこしたことはないけど、なんで今ごろなの?」

ぴた:「さあ。うちの大学は東電のように工程表を示していませんからなんとも言えないけど、はっきりしているのは、8月7日のオープンキャンパスに間に合わせるということかな。」

ひろやす:「なんだそんなことだったのか。まあ、高校生の健康も大切だけどねえ・・・。ところで、汚染された土砂をあんなところに埋めて大丈夫なの? 放射線は漏れない?」

ぴた:「六面をベントナイト系の遮水シートで包んで、50センチの覆土をしたうえアスファルトで固めるから大丈夫だと言っていましたよ。」

ひろやす:「前からうちの学類が要望しているS棟前広場の除染とか、グラウンドの表土除去のほうが効果がありそうだけど、なんでやらないのかな。大学のHPを見ると、附属学校で表土除去をやっているところは、効果をあげているみたいだけど。」

ぴた:「S棟前広場については、水を流しながら自動でまわるタワシで洗浄し、出た汚染水をバキュームで吸い取る除染活動をするそうですよ。」

ひろやす:「それって、僕たちがケルヒャージャパンの人に来てもらってやった除染実験そのものじゃない?あの時はあまり効果が出なかったことが分かってるんだけど…。それに水を流して吸い取る実験をしたときは、飛び散って危ないからやるなって副学長にずいぶん怒られたんじゃなかったっけ?自分たちがやるのはいいってこと?」

ひろやす「それじゃあ、グラウンドの表土除去については?」

ぴた:「グラウンドの表土除去については、1億数千万も予算がかかるというので、今のところ計画はないみたいですよ。文科省からの補助金もつかないみたいだし。」

ひろやす:「大丈夫かな?大学生は『子ども』ではないというだけで見捨てられたような存在だなあ。若ければ当然、放射能に対する感受性も高いはずなのにね。」

ぴた:「福島県内の学校で子どもたちが浴びる年間被ばく量を1m㏜以下にすることが目標にされているけれど、大学はそうした目標は立てていませんからね。」

ひろやす:「大学がこの地で教育を続けるというのであれば、率先して除染活動や放射線防護活動に取り組めば、世界中にPRできると思うんだけどなあ。」

ぴた:「福島市ですら『ふるさと除染計画』に取り組むって報道されたじゃないですか。なんだか福島大学だけが世間から取り残されていくみたい。とてもにっこり笑って元気を伝えている場合じゃないですよね。」

ひろやす:「なんだい、『にっこり笑って元気を伝える』というのは。」

ぴた:「夜室長は何も知らないんですね。13日のお昼に開催する『福島大学1000人プロジェクト』ですよ。」

ひろやす:「ああ、それなら知っているよ。いま大学のあちこちにポスターが貼っているやつでしょ。何の予告もなくいきなりポスターが貼ってあったからびっくりしたよ。あれって何が目的なんだい?」

ぴた:「大震災や原発事故に揺れる福島から、福島大学の構成員が一丸となって頑張っている様子を記念写真にして、福島県や全国へ笑顔を発信し、元気を伝える、ことが目的みたいです。」

ひろやす:「僕らが笑えば、世界は元気になるものなのかなあ。」

ぴた:「地元紙を見ると、放射能汚染の影響で来年の志願者減少が懸念される中で、元気な福大をPRしたいと書いてありましたよ。」

ひろやす:「たしかに来年度の受験生確保は最重要の課題だけど、笑顔のポスターを見たら安心して受験してくれるものでもないでしょう。まあ、いろんな考えの人がいるから一概には言えないけどね。」

ぴた:「それに心の底から笑顔になれるかという問題もあるんじゃないかな。なんと場所はS棟前広場ですしね。」

ひろやす:「せめて除染してから撮影はできないのかな。なんだか笑顔も引きつりそうだよ。」

ぴた:「しかも、ここだけの話だけですが、1000人プロジェクトをやるために、当日の避難訓練の集合場所を、本来の陸上競技場からS棟前広場に変更したという噂もあるんですよ。」

ひろやす:「おいおい、それが本当なら本末転倒じゃないの。」

ぴた:「笑っている僕らが、日本中、世界中から笑われるはめになるかもしれませんよ。」

ひろやす:「不可解な言動で笑われるのはいいよ。もう懲りた。穴があったら入りたいよ。」

ぴた:「穴ならもう出来ているじゃないですか。」

ひろやす:「・・・。いや、あの穴は危険すぎる!」

*****

 避難訓練と笑顔は、僕にはよくつながりません。「地震や原発災害事故に備え、笑いましょう」、ってどういうこと?
 結局、1週間で一番学生が集まる時間を利用して避難訓練を行い、訓練で出てきた1000人の学生を集めて写真をとってしまおう、という、そういう安易な繋がりってことですよね?

 避難訓練の実施要領によれば、中央広場への避難後、避難訓練についての講評を学長が行い、そこで避難訓練は終了、そして、希望者のみこの「1000人の笑顔プロジェクト」に参加するということになっていました。
 それがうまくいけば、「避難訓練」と「笑顔プロジェクト」は別物です、ということもできたでしょうが…

 しかし…現実は実施要領のようにはいきませんでした。学長の講話はほとんど聞こえず、どこまでが避難訓練で、どこからが「笑顔プロジェクト」なのかも分からない状況のなか、急きょ構内に入ったクレーン車の上から、写真撮影が始まっていました。
 私たちとしては、意味ある避難訓練を求めてきましたから、実際の訓練の後、学長がそれをどう総括して、今後起きうる事態に大学としてどのような備えをしようとするのか、その点を明らかになると期待していました。そしてそうすることこそが、今日の避難訓練の最大の目的だったはずです。その本来の目的は一体どこに??

 そんなことをぼんやり考えている間…

 中央広場では、クレーン車の上から写真をとっている間にも、「1000人プロジェクトにぜひ協力してください!」という呼び声が響き、「こんなときに笑顔になってる場合じゃないよ」、と思っている学生さんや教職員たちは遠巻きに事態のなりゆきを眺めていましたし、写真に写り込むためにポーズをする学生さんの脇では、別の学生さんが素通りして生協へ向い…と大混乱。実際にどんな写真が撮れたのかは、よく分かりません。

1000ninproject.jpg

 それでも、マスコミにこの写真が流れるときには、「笑顔の福大生、未来への希望」、みたいな感じで取り上げられるのでしょうか。そしてその写真は、オープンキャンパスや、今後の大学の広報活動の大きな「武器」になっていくのでしょう。

 写真撮影に参加した、笑顔の学生さんがたくさんいたことも事実です。
 その一方で、「こんなときに笑顔の写真撮影なんて」、とプロジェクトのアイデアそのものに批判的な学生さんがたくさんいたことも事実です。

 「笑顔」だけが福島や福島大学の現実ではありません。

 福島県や福島大学では、収束しない原発事故や地震への備えをしなければならない一方で、福島の復興のことも考えなければいけない、という矛盾に満ちた状況に置かれている、その事実にこそみなさんの目を向けていただきたいと思います。

 最後に、1000人の笑顔プロジェクトが終わった後の中央広場で見かけた「川柳」を紹介しておきます。ぴたさんの講義「『貼り紙』の文化」を思い出しますね。

senryu.jpg

コメント

ブログ書いたのは、ぴ〇さんですかね…笑

まあそれはいいとして、今回の避難訓練と笑顔プロジェクトは首を傾げざるをえませんね。私も私の友人も、多くの人が「避難訓練の意味は、単に学長による人集めだったのか」と呆れています。

もちろん、避難経路の確認や授業中の対応等、避難訓練は大切です。
ただ、中途半端な避難訓練に何の意味があったのでしょうか。
実際の避難場所は陸上競技場なのに(地震発生時の初動マニュアルより)「S棟前広場に集まってください」というアナウンス。
学生は混乱しかねません。
広場で聞こえたのは「写真撮りまーす!」の声。
避難訓練じゃなかったっけ?
「福島大学」の文字を映したいんですかね?

とにかく、呆れてしまいました。
このいつ再び大地震が起きるかもわからない状況下で避難訓練を行うのであれば、しっかり時間を取って徹底したものを行うべきだと思います。

笑顔企画のために避難訓練を行ったというか
避難訓練のために笑顔企画を行ったというか…

福島から全国に「ありがとう」を伝えようと、自分たちで地道に人を集めて動画を制作した学生がいます。
そのような行動を知っていながら、せこい方法で人を集める行為に対して、私は怒りすら感じました。




  • 2011/07/13(水) 22:26:45 |
  • URL |
  • 福大生 #-
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  • 2011/07/13(水) 22:33:04 |
  • |
  • #
  • [ 編集 ]

「これを誰が書いたのかをぴたっと当てられる人」
 ↑
答えが書いてあるじゃないですか。

  • 2011/07/13(水) 23:50:14 |
  • URL |
  • 央 #-
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ありがとう

この記事を書いてくれてありがとう!
行政ブログ最大の功績です。ほんとに。

自治会連合が訴えていた避難訓練とは全く違う意味のない避難訓練。
衛星電話やスピーカーの設置もまだですよね。
もはや避難訓練という名の人集め、大変な詐欺です。

どこか、日本でも海外でもいいからこの現実を「正しく」報じてくれるメディアはありませんかね。

ちなみに清水副学長、最前列でノリノリでしたよ。呆れる。

「ほんとの」1000人プロジェクトやったら、これを超える人数、集められますかね。
退学になっちゃったりして。

除染

大学開講され早2ヶ月ですね、どうですか?今の状況は。
減らない放射能量。寮の中庭の側溝は9μsv毎時です。ここだけ避難区域ですね(笑)
それにも関わらず単位は容易に与えてくれない。福島に残ったのら、被爆しながらもいつもどおり授業はちゃんと受けなさい。そんな状況さ、笑えるねえ
まぁ「これは甘えだ」と嘲笑されるのがオチでしょけどね(笑)

話を戻します。まず、避難訓練は課題だったのか?避難訓練するような地震が来たとしたら原発からは放射能がだだ漏れだろう。避難する暇があったら俺は自主的に車で消えます。まぁ地下に放射線から守られて、数ヶ月は生活できる核シェルターがあれば話は別だが(笑)しかも規模は1000人。
とりあえず学内の除染を行って欲しい。寮の除染も頼みます。金は払います
ところで福島県産の野菜食べてます?俺は食べてないですよ。結局加工食品や外食でたくさん内部被爆してんですょうけどね。このままじゃ学生に未来はない。

  • 2011/07/14(木) 07:25:44 |
  • URL |
  • 信夫の尾崎 #Aiam0OL6
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お疲れ様です。

とても気になっていた問題なので、
このようにまとめて頂けて良かったです。
完全な自主参加ならまだ許容範囲だったかも知れませんが、
やはりこのやり方は許せませんね。

  • 2011/07/14(木) 13:24:09 |
  • URL |
  • Eddie_Cash #-
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危機感

連投すまん
危機感持とうぜ。やるべきことが自ずと見えるはず
この状況下で笑顔?失笑

  • 2011/07/14(木) 15:28:37 |
  • URL |
  • >>4 #-
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除せんと単位について

今日寮の中庭で除せん作業が行われていました。
とてもいいことだと思います。(少し遅いですが)
大学構内も除せんするべきです。それが現在の最重要課題なはず。

除せんもせずに、授業にでなければ単位を与えないというのは、暴力ではありませんか?本当に腹が立ちます。アホ福島大学とゴミ屑教員(行政の偽善教員も同じ)は生徒を被ばくさせたがっている。

とりあえず除せんしてください話はそれからです。

  • 2011/07/14(木) 16:51:28 |
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  • 信夫参謀 #-
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