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ガンバロウ福大!行政の「結」

2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震に端を発する東日本大震災をきっかけに、福島大学行政政策学類の教員有志でブログを開始しました。福大行政に関わる情報共有・情報発信の場として、このブログが、読者のみなさんとわたしたちの、また、みなさん同士の結節点になれば嬉しいなと考えています。一緒に手を携えて、この難局を乗り切っていきましょう。     (2012年3月26日記)

「在学生の今」ⅩⅥ~「ふくしま歴史資料保存ネットワーク」のボランティア活動に参加して…阿部専門演習3年

夕方の震災対策室からこんにちは、清水@ブログ庶務担当です。

今日は、文化史担当の阿部さんから、「在学生の今」を伝えてもらいます!福大行政は、こんなことにも関わっているんですよー♪

では、阿部さん、よろしくお願いします。


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 社会と文化専攻で「文化史」を担当している阿部浩一です。伊藤喜良先生の後任として、昨年10月に着任しました。半年間、伊藤先生のもとでいろいろなことを学びながら、いよいよ独り立ちしなければいけないなぁ…などと思っていた矢先に、あの震災に遭いました。

 あれからまもなく4か月。時間の経つのは本当に早いですが、この間に私は、考古学の菊地先生と一緒にあるボランティア活動に奔走してきました。

 「ふくしま歴史資料保存ネットワーク」……ブログ読者で、この名前を耳にしたことのある人はほとんどいないでしょう。県内の歴史関係機関・団体と本学が呼びかけ人となり、大震災を経験した神戸、新潟、宮城などの先駆的活動に学びながら、災害前から歴史資料の保全に取り組むための市民ボランティアによるネットワークを立ち上げたのが、昨年11月のことでした。もちろん、こんなに早く本番を迎えることになるとは、誰ひとり思っていませんでしたが…。

 4月からこれまで、約20件のレスキューが行われました。その最初のものの一つが、国見町での倒壊しかけた土蔵からの資料救出でした。下の写真はその時のものです(ヘルメット姿は菊地先生)。写真を見て初めて恐ろしい現場にいたことに気づいたくらい、その時は命知らずというか、とにかく無我夢中で(2階にまで上って)歴史資料を搬出していました。ちなみに、この土蔵は今では解体されて跡形もありません。

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 こうして緊急搬出された歴史資料は、所有者の許可のもとに一時お預かりして、クリーニングをし、内容ごとに分類・整理をした上で、最終的に所有者にお返しします。皆さんが想像する以上に膨大な時間と人手を要するものなのです。

 それでもなお、私たちがボランティアとして奔走するのには理由があります。それは、これまで地域の歴史や文化を大切に伝えてきた先人たちへの敬意であり、それらを後世の人たちにも同じように享受してもらいたいという切なる願いからなのです。なお、活動の様子は http://www.geocities.jp/f_shiryounet/ で知ることができます。興味のある方はぜひアクセスしてみてください。

 7月、緊急レスキューも少し落ちついてきたことから、先の土蔵から搬出した歴史資料のクリーニングと整理の作業に入ろうということになりました。幸いなことに、国見町には4月から町役場の職員に採用され、生涯学習課社会教育係に配属となった修了生の大栗くん(院・考古学出身)がいます。さらに、地元の郷土史研究会の皆さんがボランティアに参加してくださることになりました。そこで私もゼミ生を誘ったところ、都合のついた2人がボランティアに参加してくれました(さらに1名、考古学の院生の金田くんも自ら志願してくれました)。せっかくなので、教員が言うよりも仲間の学生のほうが共感してもらえるかと思い、ゼミ生に体験レポを執筆してもらいました。笑ってあげた方がよいのか、よくわからない部分もありますが(苦笑)、そのまま転載します。


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 おはようございました!…否、こんにちは、阿部ゼミ3年の西山と菅野です!

 皆さんは文化財レスキューという活動をご存じですか?

 文化財レスキューとは、3月11日の東日本大震災で被災した地域で、危機に瀕している古文書などの文化財を救出して、保護する活動のことです。その活動に、7月3日(日)に私たちも参加させて頂きました。


 午前中は、主に地元の倒壊寸前の蔵から運び出された古文書や骨董品(食器、衝立、日本人形、屏風など)を国見町の観月台文化センターの中に運び込みました。すすだらけになりながら資料を運び出しました。結構重労働です(汗)

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 しかし、ボランティアの中核を担う文化振興事業団をはじめとする専門職の方々はとてつもなく若々しくエネルギッシュです。私たちより若いのではないかと感じてしまいます。

 また、作業中に出会える古文書・骨董の中には中々面白いものが多々あり興味をそそられてしまいます。特に、子犬の群れが描かれた衝立などはとても可愛くて和んでしまいました(∪^ω^){わんわんお!
セピア色の家族写真や個人の写真、肖像画などもあり、家族の歩んできた歴史も感じられました。とても興味深かったです。

 戦前の資料も多く、今はなかなか見ることができない日露戦争時の記録写真や、太平洋戦争時の大本営が刊行した出版物もあり、ついつい読みふけってしまい作業が進みませんでした…。
こうした資料の数々は地元の旧家の資料なのですが、往時の繁栄と地元近代史の歩みをひしひしと感じさせてくれました。


 午後の作業内容は、福島県立博物館の学芸員、高橋充さんの御指導のもと、運び出した資料のすす払いを行いました。

susuharai.jpg

 すす払いは単に汚れを丁寧にハケで払い落すのみならず、古文書を食い荒らす虫が付いていないか、或いはそういった虫の糞がないか入念にチェックしながら進めなくてはならない非常に重要な作業です。さもないと折角レスキューに成功した文書も、隠れている虫に食い荒らされてしまうのです。実際、私たちがすす払いをした資料の中にも、虫の糞がびっしりと付着しているものがあり虫害の深刻さを垣間見ることが出来ました。初めて見たときはあまりにもひどくてドン引きしました…。あれは見ててきつい。

 3時すぎ、作業途中で雨が降ってきてしまい、この日の作業はお開きになりました。


 蒸し暑いなかでの作業でしたが、文化振興事業団のみなさんをはじめとするプロの仕事を目の当たりにできたことと、震災以降の被災地の文化財がおかれている危機的状況を知ることができました。

 歴史的資料は私たちのみならず、次の世代の宝でもあります。こうした宝が今回の震災で数多く失われようとしているという現実に胸が痛みました。ですが、今回の文化財レスキューで少しでも多くの歴史資料を助けることができてよかったと思います。さらに、文化財保護の意識が私たちの中に芽生えました。

 今でもまだ計画的避難区域内にある資料など、まだ助けられずにいる資料がたくさんあります。これらは未だに危機的状況から脱することができていません。もしこの問題に興味があれば、専門的技術はいらないので是非文化財レスキューに参加してみてはいかがでしょうか?

 ここまで読んでいただき、ありがとうございました!!

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