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ガンバロウ福大!行政の「結」

2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震に端を発する東日本大震災をきっかけに、福島大学行政政策学類の教員有志でブログを開始しました。福大行政に関わる情報共有・情報発信の場として、このブログが、読者のみなさんとわたしたちの、また、みなさん同士の結節点になれば嬉しいなと考えています。一緒に手を携えて、この難局を乗り切っていきましょう。     (2012年3月26日記)

行政政策学類ぶどう棚前の「現場」から(報告)

こんにちは。夜の震災対策室からぴたです。

「毎週土曜日は除染の日」…ですが、6月11日は、福島大学「災害復興研究所」の主催する「東日本大震災災害復興シンポジウム」の日(→明日以降、詳細を本ブログで紹介します!)で除染活動はお休みでした。
6月4日(土)に実施したぶどう棚周辺の除染作業についてお伝えします。

「除染」という活動が可能だ、あるいはやるべきだ、ということが知られるようになって以来、水洗いなどの簡易な方法から、さまざまな薬剤を使うやり方、ヒマワリなど植物の力を使った方法など、さまざまなアイデアが出され、また実施に移されています。放射線、原発爆発といった大きな状況に翻弄されるなかで、自分たちでできることがあると分かり、ある種の「熱気」のような雰囲気が生まれましたし、行政政策学類有志たちも自分たちでできる試みとして、何度か除染の実験を行いました。

また、除染活動について自ら学び、また地域での活動の参考になるように、除染のあり方について、田中俊一先生をお招きした緊急学習会も開きました。その模様は、Youtubeでも公開されています。

しかし、実際の実験や学習会で学んだことは多い半面、除染後の泥の処分の問題や政府や自治体による積極的な取り組みの必要性など、さまざまな課題も見えてきています。当初感じた「熱気」を持続させるとともに、より効果的で、多くの人がより簡単かつ安全に、また安価な資材を使って取り組める除染の手法の開発も求められています。

おかしな横ヤリにも負けず、今後もいろいろな除染の試みを続けたいと思っています!

****

ぶどう棚前の「現場」から、ぴたです。

6月4日(土・毎週土曜は除染の日)に行われた、ぶどう棚の除染活動について報告します。ぶどう棚周辺の除染活動は、最も原始的な(?)方法、「掃き掃除」です。

行政政策学類は、その前身たる行政社会学部創設以降2007年10月に20周年を迎え、その記念事業の一つとして、学類棟脇に、全てを学生教職員の手作業で作り上げた「ぶどう棚」を完成させ、ぶどうの苗を6本植えました(08年秋)。09年秋以降すでに2回、会津坂下町「百姓ハウス」と飯舘村の「気まぐれ茶やちえこ」のおかあさんに作っていただいた地産地消の「お弁当」とともに、地域の方も交えた「大収穫祭」を実施しています。ぶどう棚周辺には、ぶどうを手始めに、その後「さくらんぼ」「ラフランス」「キウイ」「ブルーベリー」「梅」「カキ」などが植えられ、ここはほとんど果樹園状態です。季節ごとに果物の甘い香りのする学類なんて、農学部以外ではうちだけではないでしょうか?

budoudana.jpg
(ぶどう棚と行政政策学類棟)

sakuranbo.jpg
(今の果樹園、さくらんぼ)

younashi.jpg
(今の果樹園、ラフランス)

 しかし、私たちの「行政政策学類果樹園」が今、危機に瀕しています。

 放射線の影響で、今年の成果を食することができない、ということだけではありません。
 報道などでも報告され、また現場にいるものとしての実感にもあるように、土の残っているところや植物の生えている植え込み部分は、比較的放射線量が高いと言われています。そこで、放射線量を可能な限り下げ、また個人の被ばく量を少なくするためには、植栽を伐採してしまう、という選択肢もないわけではありません(実際、そんな声もちらほら聞こえてきます)。また、コンクリートやアスファルトの方が、雨などで放射性の塵を洗い流してしまう結果、放射線地が低くなる傾向があることがよく指摘されています。

 ぶどう棚はこれまで、昼休みに学生のみなさんがその下に座ってお弁当を食べてゆっくりするような場所でした。そのために設置したぶどう棚でしたから、そういう使い方は大歓迎でした。しかし、まさにその場所が放射線量が高いとしたら…、またその除去が被ばく量を下げることに繋がるとしたら…

 これまで、学生とともにぶどう棚製作から果樹の手入れまでやってきた本人としては、こういう状況に追い込まれ、とても苦しい思いでいます。アスファルトやコンクリートの方が、「土」や「果樹園」よりも私たちにとって安全だなんて…「東京のきれいな空気を吸いに行ってくる」、というジョークが語られる、今の福島の矛盾です。

そんななか、「被ばく量を低くしつつ、同時に私たちの果樹園を守ることはできないか」、との思いから、ぶどう棚周辺の除染活動に取り組んでいます。

植物が育てられている場所ですから、化学薬品などを使うわけにはいかず、原始的ではありますが、とにかくホウキを使ってきれいに落ち葉や土を取り除くことを進めています。

 除染活動前の数値(単位はマイクロシーベルト毎時)です。

<ぶどう棚A(向かって左)下>
○地上1m 1.2~1.3
○椅子の上 1.2~1.3
○地上1cm 1.3~1.4

<ぶどう棚B(向かって右)下>
○地上1m 1.3~1.4
○椅子の上 1.3~1.4
○地上 1cm 1.3~1.4

<ぶどう棚前ベンチ(向かって左)>
○椅子の上 1.3~1.4

<ぶどう棚前ベンチ(向かって右)>
○1m 1.3~1.4

除染活動前の計測後、ぶどう棚下部分に堆積していた落ち葉や土を、できるだけきれいに取り除きました。

jimen.jpg

落ち葉は腐葉土化しつつあって、このまま土にすき込めば、りっぱな肥料になりそうでしたが…全てビニール袋に入れて処分に回すほかはありません。どこでも、落ち葉は大事な資源でしたが、今や、処分に困る「放射性廃棄物」になってしまいました…。

seisougo.jpg

除染活動後の計測結果は以下の通り。

<ぶどう棚A(向かって左)下>
○地上1m 1.0~1.2
○地上1cm 0.7~1.09

 落ち葉や土を丁寧に取り除いた部分は、ほんの少しとはいえ、除染の効果はあらわれているように思います。特に地上1cmの部分については、目に見えて下がっています。地上1m部分の放射線値が減らないのは、周りからの影響が大きいからかもしれません。落ち葉を取り除くことで、地上1cm部分の放射線値が下がったことを実証するように、集めた落ち葉は、

○除染後に集めた落ち葉(ビニール袋入り) 3.01~3.72

の数字が出ています。

ochiba.jpg

ぶどう棚周辺には、ブルーベリー苗の地植え予定部分や、雑草予防にウッドチップを敷き詰めた場所などがあり、それぞれ、

<ブルーベリー苗の地植え予定部分>
○地上1m 1.7~1.8
○地上1cm 1.8~1.9

<ウッドチップ部分>
○地上1m 1.45~1.55
○地上1cm 1.9~2.0

の数字が出ています。今後、これらを少しずつ取り除き、ぶどう棚全体の放射線値を下げる努力をしたいと思っています。

行政政策学類果樹園が、学部創設30周年にも甘い香りをさせていますように…(祈)

*******
 これまで何度も指摘してきましたが、私たちが放射線量を計測し除染活動を行うのは、研究のためでも比較データ収集という目的のためでもなく、自分たちの生活の安全性を確認し、可能な限り放射線量を下げて、その被ばく量を最大限少なくするためです。今、手元にある測定機を使って、自分たちの生活を守るために、今の自分たちでできることをやろうとの思いからです。

 先日(6月5日)、NHKのETV特集で、「続報 ネットワークで作る放射能汚染地図」が放送されました。その中で、いわき市の大越キヨコさんという方が、「中国製の測定機」を、広島に避難している「孫のために」「早くこっちの学校に来られるようにと思って」49,000円で買い、毎日自分で放射能を測っている、と語っていました。孫と再び一緒に生活できる日がくることを、本当に心待ちにしていることがよく伝わってくる表情でした。フィールドワークに出かけたときに良く目にする「ふくしまのおかあさん」の姿です。大越さんの言葉は、現場にいる私たちの気持ちが、率直に伝えられていて、ぴたの胸に響きました。

 大学から学類に放射線測定機も配付されないなか、私たちにも手に入れられる測定機を使って、自分たちにとって切実な問題に対し、自分たちでできることをやっています。その結果の情報発信のあり方に疑問を感じる方は、どうぞご自身で測りに来て、「正確な情報発信に努める大学の義務」を果たしてください。がんばってね。

コメント

土壌の除染と汚染水処理

始めまして。
土壌の除染と福島第一件視力発電所の汚染水処理について少し考えてみました。
ご一読お願い申し上げます。
http://powerbreathing.seesaa.net/article/210081565.html
http://powerbreathing.seesaa.net/article/210123630.html
http://powerbreathing.seesaa.net/article/210798889.html

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