今回の対象は、大学の講義棟(S・M・L棟)の間に広場です。授業を受けるには必ず学生が通る場所ですね。
夜室長が赴任した当時はたしかレンガが敷設されていましたが、降雨時に水たまりができるというので、十年くらい前に、透水性のブロックに貼り替えました。
ところが、これまでの放射線計測結果によれば、他のアスファルトやコンクリートなどの舗装面と比べて、透水性ブロックは放射線量の値が高くなっています。その原因はよく分かりませんが、ブロックとブロックの隙間に土が入り込んでいて、そこに放射性物質が蓄積しているのではないかと、推測してみました。
そこで登場したのが先週に引き続き、「ケルヒャーくん」です。前回は、中川さんがホームセンターで購入した家庭用の高圧洗浄機でしたが、広い広場の除染には到底太刀打ちできません。
そこで、ケルヒャージャパンにお願いして、業務用温水高圧洗浄機による実証実験を行うことになりました。
洗浄機の操作はすべて原田支店長がやってくださるので、メンバーは高みの見物です(笑)。
200ボルトの電源が必要なので、車ごとS棟に横付けします。車に積んだバッテリーから電源をとり、ボイラータンクに接続します。ボイラーの燃料は灯油だそうです。
業務用ともなるとさすがに重装備ですね。

次に、ガムテープで3つの区画を作ります。これは、水とお湯とローラーポリッシャーの3種類で除染の効果を比較するためです。
中川さんと「おや」がガムテープを貼っていきます。

タンクからの水(お湯)はこの円盤状のサーフェスクリーナーから噴き出てきますが、家庭用のように、周りに水が飛び散る心配はありません(前回もそうしてほしかった・・・)
原田さん、黒と黄色のつなぎがよく似合っています。

いよいよ、スタート。ウーン静かだ。
あっという間にブロックとブロックの隙間から汚れた泥水が噴き出してきます。

でも、このまま放っておくとあっという間に、また浸透してしまうので、掃除機で水を吸引していきます。

今度は、二刀流です。お見事!

さて、成果はどうだったでしょうか??
計測開始。

○実験前
1㎝ 2.10μ㏜毎時
○実験後
水で洗浄後 1.5~1.6μ㏜毎時
70~80度のお湯で洗浄後 1.2~1.25μ㏜毎時
汚染水を測ってみると…3.7μ㏜毎時
やはり高いですね。

さて、次にポリッシャーの登場。これは下にブラシがついていて高速回転するもので期待大です。

さっそく作業開始・・・と、ここでトラブル発生!!
ブロックに凹凸があるため、抵抗が強く、ブラシがうまく回転しないのです。
ウーン残念! 「透水性ブロック斬り」とはいきませんでした。
ということで、1時間ほどで本日の実証実験は終了しました。
洗浄後のブロックは、見違えるようにきれいになりました。
毛穴スッキリという感じで、ブロックとブロックの間の土もなくなっています。
でも、表面がザラザラの透水性ブロックには放射線物質が奥まで頑固にこびりついているようです。
次なる取り組みが必要なようです
ケルヒャージャパンの原田さん、ご協力本当にありがとうございました。これからも、ご協力のほど、どうぞよろしくおねがいします。
どんな除染方法がいいのか、みなさんの知恵とご協力をいただきながら、今後も震災対策室の試行錯誤は続きます!
教えて! 田中先生!
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震災対策室からのお知らせ!
すでに昨日のブログ記事でもご紹介しましたが、行政政策学類では、来る6月3日(金)、田中俊一先生をお招きして、「福島における放射能除染のあり方について」という緊急企画の勉強会を開催します。詳細をご確認のうえ、ぜひお越しください!