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ガンバロウ福大!行政の「結」

2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震に端を発する東日本大震災をきっかけに、福島大学行政政策学類の教員有志でブログを開始しました。福大行政に関わる情報共有・情報発信の場として、このブログが、読者のみなさんとわたしたちの、また、みなさん同士の結節点になれば嬉しいなと考えています。一緒に手を携えて、この難局を乗り切っていきましょう。     (2012年3月26日記)

学長の回答全文―院生・木村

こんにちは、地域政策科学研究科院生自治会の木村義彦です。
私たち学生自治会をはじめとする学生組織が大学に提出した要望書の具体的な回答が、5月18日に開催した学生生活協議会で明らかになりました。
福大のみなさんにお伝えするのが遅くなって本当にごめんなさい。

私たち学生組織では、今回の要望書やその回答を皆さんに見ていただいて、今後、感想や意見を集めていきたいと考えています。まずはできるだけ多くの福大生に要望書と回答の内容を知ってほしいと思います。皆さんで、ゼミやサークルを通じて、呼びかけていただければ幸いです。

また、6月中旬頃(8日?15日?)に入戸野学長が、私たち学生の前で要望書に対して直接回答する場を設定することが決まりました。この説明会では、みなさんからの質問や意見を直接学長に投げかけることができますので、ぜひ参加をよろしくお願いします。
放射線値や健康問題について、さらには、サークル活動、フィールドワーク、就活、経済的な生活問題などなど、率直に思いや不安を大学や学長にぶつけ、少しでも改善につながればと思います。
またこれを期に、どのようにすれば快適な4年間が送ることができるのか、新入生が進学したいと思える福島大学にできるのかを考えてみてください。

説明会の回数や時間が足らない場合は何度も開催してもらえるよう、大学にお願いを続けます。
要望書や大学の説明会については、自治会や学友会などの学内の掲示板にもこれから掲示しますので、そちらもご覧ください。

長くなりましたが、以下からが大学からの要望書の回答になります。

以上

********

学生諸団体代表者各位

「安全安心な学生生活の確保のための要望書」への回答

2011.5.18 福島大学長

はじめに

 いまだ日本人の誰も経験したことのない放射能災害に見舞われて、学生も職員も、いや福島県に住む人みんなが、表現しがたいほどの不安とストレスを感じています。地震直後の「閉鎖」に続く長い「休講」の期間を経て、ようやく授業等の再開になりましたが、原発の事故現場の状況は見通しが立たず、安心して学習のできる環境が実現しているとは言えません。しかし見通しが立たない中で、いつまでも大学の業務を再開しないことの被害もまた、非常に大きいものがあります。現に今ここに存在している放射能汚染にどう対処しながら大学の教育研究を進めていくか、大変難しい問題です。
 事態は長期戦にならざるを得ない様相です。学生の皆さんと一緒にこの難局を乗り越えていきたいと思います。今後、学生の皆さんとは何度も意見交換をしていく必要があると考えています。まずは正式の協議機関である学生生活協議会で代表の皆さんと話し合うことを皮切りに、今後の進め方についても協議をする所存です。
5月6日付けの「要望書」について、簡潔に文書回答をいたします。言葉足らずのところやこれからの課題などについては、協議の場でじかに意見交換をしましょう。

1.授業開始決定に至った経緯について

 地震の直後に「福島大学危機対策本部」を設置して災害対応を行ってきました。対策本部は学長以下役員、学類長、主要な事務職員とで構成し、当初は毎日2回会議を開いていました。学生諸君の安否確認を最優先しつつ、大学周辺のアパートや学寮にいる学生諸君への支援、他県出身の在福学生への帰宅支援などを行いました。危機対策本部は、定期開催はなくなりましたが現在も継続しており、新たな事態の発生に備えています。
 「新入生を迎える会」や授業再開にスケジュールも、この対策本部で協議して決定したものです。授業の再開日程の決定は4月12日に行われています。学年暦は学生諸君の卒業や就職にかかわる重要事項ですので、大学(学長)の責任において決定しました。対策本部の会議内容については教育研究評議会で報告し、各学類の教員会議にも報告されています。詳しい内容が知りたいということであればお示しできますのでお申し出ください。また教育研究評議会の議事要録は今年度から本学ホームページ上に公開することにしており4月開催分について現在準備中です。

2.新年度授業等の開始を妥当と判断した根拠について

 授業の開始を延期した理由は、JRの不通、水道等の未復旧、原発事故の未収束ということでした。前の2つは解決しましたが、最後に残ったのは原発事故と放射能汚染です。原発事故の現場は「いまだ危機的な状況が続いている」と認識しています。ただし放射能(放射性物質)の漏洩は止まってはいないものの、新たな大量放出はなく、大学構内の放射線量は一時的な急増を記録したのちは減衰して、ほぼ横ばい状態です。実際に計測した値については「放射線対応マニュアル(学生版)」に記載したとおりです。
 文部科学省が学校の校庭について示した基準(3.8μSv/h)の評価には賛否両論があります。国立大学法人である本学にとっては正式にオーソライズされた基準として重視しなければなりませんが、本学構内の線量がこの基準値未満であることのみをもって授業再開の判断を下したわけではありません。マニュアルに記載したとおり、それと比べても相当程度に低い線量であり、大学での通常の活動を行うことは可能な範囲の数値と判断しました。その上でなおかつ、「放射線被ばくはできるだけ避けるべきである」という原則がありますので、そのために必要な心構えなどをマニュアルで示しました。
 可能な限り被ばくを避けるという対処原則を文字通りに徹底するなら、通常の大学活動をすべて休止するべきだということになります。今回とった休講措置のように期間をあらかじめ定めてそのようにすることはできますが、見通しが立たない状況の中で「無期延期」の措置をとった場合、いつそれを解除するか、決定がきわめて困難です。それが半年、1年と延びれば学生諸君に耐えがたい苦痛と損失を与えることになりかねません。残念ながら被ばくをゼロにすることができない現実ですから、「評価と判断」をどこかで下さなければなりません。大学だけでなく、関係するすべての住民においても事情は同じです。

3.学生の安全確保と健康のために必要な措置について

①施設の安全性について-地震による建物等の被害状況は把握しています。天井の照明等が破損した箇所はすでに修理しました。建物にはひび割れがかなり生じておりますが、幸いにして近寄れないほど危険な個所はないと判断しています。建物の損傷に関しては今週中に政府の調査が入りますので、その後に必要な補修工事等が行われると思います。

②今後の災害への対応マニュアルについて-「地震発生時の初動マニュアル」と「放射線対応マニュアル」を配布しましたのでよく読んでいただき、意見や疑問がありましたら寄せてください。地震により交通手段の麻痺が生じた場合、また放射能の新たな大量放出が生じた場合、大学が一時避難・退避先になりうるよう、用意があります。学生諸君との連絡体制についても学類ごとに完全を期しています。

③避難訓練について-再度の大地震の発生に備えて実施したいと考えています。実施時期については、サイレンやスピーカー等の通信システムの整備が済んでからになると思います。

④構内の放射線量測定について-測定は行っており、データも公表しています。さらに綿密な測定を行うためには測定機器が必要ですが、なかなか手に入らない状況です。国にはそのための予算要求もしています。また「学内放射能相談窓口」を開設し学生諸君からの相談に乗る体制を整えます。学生諸君にもサーベイメータを貸し出すことにします。

⑤除染について-グラウンド等の除染は、いまその方法や時期について検討しています。附属学校園が先になりますが、表土の除去を行うことになるでしょう。実施する場合は、もちろん、授業やサークル活動にかかわりますのでお知らせします。

⑥屋外での授業やサークル活動等について-グラウンド等を使用する授業については、担当教員の判断で注意して実施していただくということで、特に規制はしておりません。グラウンドの除染の検討は、長期間にわたる被ばくの影響に対処する趣旨であり、いま直ちに使用を規制しなければならないという認識で臨んではおりません。サークル活動についても「マニュアル」の注意書きに沿った助言を必要に応じてしていただくよう、顧問教員にはお願いしています。屋外でのサークル活動については学生諸君の中にもいろいろな意見があるでしょう。今後の協議の論点の1つになろうかと思っています。

⑦物品の支給について-マスクは教務課や学生課に備えてありますので希望者はそれを使用してください。レインコートのような物は、必要であれば各人が用意し、雨やほこり対策を講じてほしいと思います。まずは自己防衛が基本です。

⑧スクリーニングについて-正式のスクリーニングは正規の講習を受けた放射線医師や技師が行うことになっています(市内の保健所で実施している所があります)。本学で通常の生活・活動をしている限りはスクリーニングの必要性はないと考えています(本学に避難していた人を対象に実施したことがありますが全く問題ありませんでした)。しかし被災地に立ち入った場合など、あるいは不安解消のためにどうしても調べたいといった人を対象に、簡便な方法で実施する準備はしたいと考えています。

⑨学生のメンタルケアについて-職員研修などを通じて、学生への接触の仕方などを考えていきます。また学生総合相談室も相談体制を整えていますので利用してください。相談室のスタッフ体制を強化することができればと考えており、その可能性を探っています。

4.休学および他大学での受講等について

 危機対策本部で議論しましたが、本学が積極的に他大学に呼び掛け、不安を覚えている学生に他大学での受講を促すといったことはしないことにした上で、希望者があれば個別に対応して希望に沿った措置をすることとしています。これはむずかしく、また悩ましい問題です。仮に本学が積極的にそのような呼びかけをした場合の、学生諸君の心情に与える影響は極めてデリケートで、波紋は大きいでしょう。本学としては、放射線の影響について独自の判断をしたうえで、学生生活に支障はないとのメッセージをきちんと出すことが重要だと思っています。本学の授業において在宅学習の道を開くことについても同様です。また、休学に関しては、体調不良の場合は休学できますが、心理的な不安だけでは休学の事由とは認めない扱いにしています。
 授業は始まったばかりですので、学生諸君の状況をよく見たうえで、新たな手立てを講じる必要があれば考えます。

5.ボランティア活動支援について

 学生ボランティアは大いに奨励したいと思います。自己学習プログラムとして登録を申し出ている学生は数名いますが、いずれもこれまでに行った活動についてのものです。本格的なボランティア活動はこれからでしょうから、ガイダンスや手引きの作成等は必要だと考えています。大学からのその他の具体的な支援については協議しましょう。ただ、ボランティアはあくまでも学生が自主的に行うものですから、大学の支援に過剰な期待を持たずに頑張ってほしいと思います。

6.被災学生への支援について

 授業料免除にあたって被災学生への配慮を行うことにしています。本学が呼び掛けて一定金額の義援金が寄せられており、これも被災した学生諸君にお渡しします。また学類ごとの独自の支援活動も展開されています。就職活動についても、被災者への求人情報を学生のみなさんに提供したり、経済団体に要請をしたりしてきました。企業自体が被災したケースの内定取り消しは、どうしようもない面があります。福島県教育委員会が出した小学校教員採用ゼロの方針については、善処方要請しています。

7.相談窓口について

 学生諸君については学生総合相談室や保健センターがあるので活用してほしいと思いますし、ほかに個々の指導教員も相談に乗ってくれると思います。保護者からの問合せや意見への対応は(内容がさまざまなので)それぞれの部署で行っています。大学からのメッセージが統一されるよう気をつけて対応しており、今のところそれで支障はないと考えています。

 ひととおりお答えしましたが、今後も意思疎通を図りながら話し合いを重ねていきたいと思います。説明会や学習会の開催についても相談しましょう。

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