ガンバロウ福大!行政の「結」

2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震に端を発する東日本大震災をきっかけに、福島大学行政政策学類の教員有志でブログを開始しました。福大行政に関わる情報共有・情報発信の場として、このブログが、読者のみなさんとわたしたちの、また、みなさん同士の結節点になれば嬉しいなと考えています。一緒に手を携えて、この難局を乗り切っていきましょう。     (2012年3月26日記)

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震災対策室の取り組み⑨-9,800円×男3人×3時間=?

 こんにちは。昼の震災対策室から大黒です。

 昨日に引き続き、週末(21日)の震災対策室の取り組みについて報告します。
 今日は②の課題、すなわち、「私たち単独で実施できる除染活動でどの程度、放射線値を下げることができるか?」という問いに対する結果報告となります。

 私たちは、行政政策学類棟の正面玄関前にある階段(2階入り口につながっています)を実験場所として、ドイツ「ケルヒャー」社製家庭用高圧洗浄機を使って、水道水で泥や塵を水で洗い流すことにしました。これは、放射性核種を含んだ泥や塵を可能な限り取り除くことで、この階段の放射線値を下げることができるかどうかを実験するものです。

 この場所を選んだのは、①利用者が多いということ、②学内の建造物の場合、東側が西側に比べて放射線値が高いという一般的傾向のなかで東側にあたること、③階段の材質が石材で水で洗い流すことができる、からでした。

 当日は午後1時半頃に準備を始めましたが、その際の写真(汚れ具合に注目してください!)と、除染活動実施前の数値を、まずお示ししておきます。

kaidan1.jpg

<実施前>
(単位はマイクロシーベルト毎時、測定値は地上から1m)

階段上(ひさしの下)0.44~0.50
階段中央0.84~0.89
階段下0.95~1.02
*階段下の部分では、地上1cmの数値も測りました→1.29~1.35

まずは、箒を使った掃き掃除です。

kaidan2.jpg

 これだけで、階段中央は、0.74~0.80となりました。
 いよいよ作業開始です。
 夜室長の塩谷さんが洗浄機を操り、メジャーマン中川さんと大黒が、水とともに流れる泥をかき集める、という作業分担で行いました。
 床部分だけではなく、タイルが張り付けられた側面部分も洗い流します。

kaidan3.jpg

kaidan4.jpg

 高圧洗浄機を使うとこびりついた塵や砂が泥となって流れていきます。
 その泥は、拡散しないよう、できるだけ集めました。

kaidan5.jpg

 男3人×3時間の成果を見よ!

kaidan6.jpg

 雨が当たる部分とひさしの部分とでツートンカラーになっていた階段は、泥が取り除かれたことによって、再び階段としての一体感を取り戻しています。

 床部分と側面もこんなにきれいになっています。

kaidan7.jpg

 しかし、五感で感じることができないのが放射線です。
 どこまできれいになったのかは、線量計の力を借りるほかありません。
 結果報告―

<実施後>(単位はマイクロシーベルト毎時、測定値は地上から1m)

階段上(ひさしの下)0.33~0.39
階段中央0.50~0.56
階段下0.75~0.80

実施後は(急に思い出して)、地上1cmでも測ってみました。

階段上(ひさしの下)0.23~0.30
階段中央0.48~0.55
階段下0.87~1.00

 階段上部で、0.11、中央で、0.28~0.39、階段下で、0.25~0.36、数値が下がっています。また、地上1cmについては、階段下部分で、マイナス0.29~0.48となっています。

 この数字をどう見るか…難しい問題です。

「少しでも放射線値を下げ、被ばく量を少なくする」、との立場であれば、大きな成果ということになりますが、他方で、家庭用高圧洗浄機9800円(+ホース代、電気や水の利用)×男3人×3時間の成果として、この数字が「十分効果がある」、ということができるか、という疑問もあります。

 写真では分かりにくいのですが、今回の実験場所となった階段は、でこぼこのある石材でできています。これは、よりフラットな材質だったら、効果はより劇的に表れたのではないか、という気もしますし、家庭用ではなく、業務用の洗浄機を洗浄剤を加えて使用した場合の成果も異なっているかもしれません。
 さらには、効果としてはそれほどではなくとも、多くの人が毎日使うという場所であれば、一見小さな成果が長い目で見て大きな効果を持つということもあります。

 今後のさらなる実験と検討が必要のように思われます。
 
 さらに、除せん活動には大きな問題もあります。

kaidan8.jpg

 小中学校の校庭・グラウンドを表土剥離する際にも大きく取り上げられましたが、除染後に出る放射性物質を含んだ土をどう処分すべきか、という問題がわれわれにもあります。

 この汚泥の放射線値を調べたところ、 19.4マイクロシーベルト毎時(1cm)が出ています。この汚泥は1m離れた所でも、1.8~1.9マイクロシーベルト毎時の値となっていました。

kaidan9.jpg

 とりあえずは、2重のビニールに密封した上で、人の立ち寄らない場所に保管してありますが、今後この処分も問題になるはずです。

 また、泥は取り除けても、水は側溝・排水溝に流れていくことになりました。放射線の半減期を考えれば、どこかをきれいにすれば、他のどこかに放射線核種が移行することを意味しています。これも大きな問題です。

 なお、作業翌日(22日)にも放射線値を測っておきました。

<作業翌日>(単位はマイクロシーベルト毎時)
○地上1m
階段上(ひさしの下)0.32
階段中央0.46
階段下0.70
○地上1cm
階段上(ひさしの下)0.26
階段中央0.52
階段下0.90

 ともあれ、お疲れさまでした、ケルヒャーくん(笑)

kaercher.jpg


コメント

つながりました!

大黒先生 ブログを見つけました!
先日はお時間をいただいてありがとうございました。
あの時測定されていた結果がこれなのですね。
ビニール袋に入っていた土。そばを通った時、ある先生が「それぐらい離れていれば大丈夫」とおっしゃったことを思い出しました。
今は、大阪にいて、もっと離れているのですが、
昨日のゼミで学生たちも福島の学生さんたちに会いたい!話したい!遊びたい!(うーん、いっしょに勉強したい!という声はなかった。。)ということでした。
不幸なことでの出会いですが、これからもおつきあいくださいね。
今岡良子

  • 2011/05/24(火) 09:18:38 |
  • URL |
  • 今岡良子 #EBUSheBA
  • [ 編集 ]

一つ

質問です。
大学でスクリーニングは行なわれるのでしょうか?

いきなりの質問すみません!

  • 2011/05/24(火) 10:14:38 |
  • URL |
  • 匿名 #2CiZrHg2
  • [ 編集 ]

スクリーニングについて(回答)

対策室で把握している範囲で回答します。
学生諸団体から学長に対する要望書の中にもスクリーニングの実施が挙げられていました。
要望書に対する回答が5月18日に出されました(詳細については、近日中に報告される予定です)。
その回答の中では、次のように書かれているので、原文のまま引用します。
「正式のスクリーニングは正規の講習を受けた放射線医師や技師が行うことになっています(市内の保健所で実施している所があります)。本学で通常の生活・活動をしている限りはスクリーニングの必要性はないと考えています(本学に避難していた人を対象に実施したことがありますが全く問題ありませんでした)。しかし被災地に立ち入った場合など、あるいは不安解消のためにどうしても調べたいといった人を対象に、簡便な方法で実施する準備はしたいと考えています。」

  • 2011/05/24(火) 12:37:54 |
  • URL |
  • 夜室長より #-
  • [ 編集 ]

今岡さんへ:コメントありがとうございました。大阪大学の学生のみなさんとも、小さなつながりが生まれたようで、本当にうれしいです。放射線値の高い福島にわざわざボランティアで来ていただき、学生のDVD上映会にお力添えいただいた今岡先生のおかげです。ありがとうございました。まだつながったばかりの関係ですが、今後少しずつでも育てていきたいですね。今は、「生産者と消費者」、「同じ日本人として」といったつながりで、福島などの被災地とそのほかの地域とのかかわりが注目を浴びることが多いですが、本来は、何らかのきっかけを通じて個人的なつながりが生まれ、「知り合いがあの福島にいる」、「あいつが福島でがんばっている、苦しんでいる」という個人的感情が、お互いに心を寄せるということにつながるのではないかと思っています。こちらで感じる「なぜ福島だけ…」という孤立感や、外の人が「福島」というだけで何かしら恐れを感じてしまう(かもしれない…と想像しているだけですが…)気持ちは、お互いに直接話を聞き、一緒に食事をし、酒を飲むことができさえすれば(一緒に勉強なんかしなくても…笑)、自然と薄れていくのではないかと思います。いろんな人とそういうきっかけをつくっていければいいなと思っているところです(それに東北にとっては大阪は未知の世界…テレビで見る大阪のノリは、学生のみなさんでも同じなんでしょうか…それも楽しみにしています!)。これからもよろしくお願いします。

  • 2011/05/24(火) 21:55:43 |
  • URL |
  • 震災対策室・大黒 #-
  • [ 編集 ]

スクリーニングの回答ありがとうございます

要望書の回答を読んでもふに落ちないところはいくつかありますが、教えて頂いて助かりました!

どこで伺えばいいか解らなかったもので

  • 2011/05/24(火) 23:34:13 |
  • URL |
  • 匿名 #2CiZrHg2
  • [ 編集 ]

お返事ありがとうございます

私も同じ気持ちです。
大阪の学生、特に、私のゼミの学生は、濃いーですよー。ゼミ以外の、専攻語の違う学生もよくいっしょに遊びますが、これがまたツワモノばかり。一般に、外国語学部の学生は、人間に興味津々なので、気を抜くとどんどん中に入ってきます。毒がまわるかもしれないんで、学生さんたちは予防接種してから来てくださいねー!
本命の小出先生と会う以外にも、合間の時間を使って、私が面白いと思う人たちをご紹介します。そこは必ず美味しいもの付き、というのが、食い道楽の大阪ツアーですよ。

  • 2011/05/25(水) 01:03:44 |
  • URL |
  • 今岡良子 #EBUSheBA
  • [ 編集 ]

今岡先生へ→ありがとうございます。京都の佛教大学の学生さん・教員の方からもお誘いをいただいているので、ぜひ、6月中にでも大阪にお伺いしたいと思っています。食い道楽の大阪ツアー、楽しみにしています!

  • 2011/05/28(土) 20:33:57 |
  • URL |
  • 震災対策室・大黒 #-
  • [ 編集 ]

更なる洗浄効果の期待

初めまして。
私はいわき市で、きれい屋チームいわき(ムラマツ電気工業㈱)という、高圧洗浄環境メンテナンス業に携わる、椎名と申します。私共も放射能除染が、今後の最大の問題と捉え、高圧洗浄による除染はできないかと真剣に取り組んでいます。過去にアメリカにおいて放射能除染に使用された洗剤があります。(但しバックデーターがない)一度テストをしたいと考えていますが、福大様の協力を頂きトライしたいのですがいかがなものでしょうか?機材(業務用)・洗剤などは当社で持ち込みます(当然作業も行います)。福大様にはデーターの集計をお願いしたいのですが、是非ご検討願います。日程は合わせます。
きれい屋チームいわき(ムラマツ電気工業株式会社) 椎名秀和

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