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ガンバロウ福大!行政の「結」

2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震に端を発する東日本大震災をきっかけに、福島大学行政政策学類の教員有志でブログを開始しました。福大行政に関わる情報共有・情報発信の場として、このブログが、読者のみなさんとわたしたちの、また、みなさん同士の結節点になれば嬉しいなと考えています。一緒に手を携えて、この難局を乗り切っていきましょう。     (2012年3月26日記)

「卒業生の今」Ⅱ~「風と木」・丹治智恵子さん

5月4日は「みどりの日」です。2005年の祝日法改正によって、2007年以降、4月29日(現在は「昭和の日」)から引っ越ししてきましたが、いずれにしても、GW期間中は新緑がまぶしい季節です。

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草木の芽吹き始めた淡い色合いの春の山を形容する、「山笑う」という春の季語がありますが、福島では、まさにこの言葉がぴったりと当てはまる風景が拡がっています(ちなみに、夏は「山滴る」、秋は「山装う」、冬は「山眠る」と表現するようです)。

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しかし、これまでのブログ記事でもお伝えしてきたように、福島原発事故は、とりわけ私たちの「食と命」に暗い影を落としています。

福島市渡利には、素敵なカフェ・ギャラリー「風と木(ふうとぼく)」というお店があります。メニューは、「元気膳」「玄米カレー」「玄米のトマトリゾット」など、有機栽培のコシヒカリと手づくりの野菜が基本です。このお店をご家族で営んでいるのが、行政社会学部の卒業生(夜間主コースの社会人学生)の丹治智恵子さんです。智恵子さんは、ひろやすゼミのお母さん、いや失礼、お姉さん的な存在の方だったので、室長はいまでも、昼時になると、しばしば大学を抜け出して元気をもらいに行っています。

震災後、食の安全が確認できなかったため、智恵子さんは2週間ほど店を休業し、いまは、週に1度は米沢に通って、畑づくりをして野菜を調達してきているそうです。先日いただいた「元気膳」は米沢の食文化によって彩られていました。はやく、福島と米沢のコラボが実現するといいなあと願っています。


以下の文章は、「風と木」が毎月出している広報紙「うFuふ」第25号から転載させていただきました。
お店の情報は、HPをご覧ください。

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何を書いていいのか、何をお伝えすればいいのか、「書く」という気力さえも失って、1ヶ月半、時間だけが過ぎてしまったように思います。
桜も終わり、季節は春をとばしてもうすぐ初夏を迎えようとしています。木々の葉の一枚一枚の芽吹き、雑草の力強い伸び、次世代をつなぐための花々の群れ。それらが大きなうねりとなって新緑の5月が生まれます。

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命のつながり

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3月11日の震災は特別な被害もなく、家族も無事で、災害の中にあってもわずかな被害で済んだことに感謝の気持ちでいっぱいでした。

しかし原発の事故は、家族をばらばらにし、深い苦しみの中にまだ置かれたままです。原発の水素爆発が起きた後、「もう我が家の野菜はこれから食べられないかもしれない!」と、夫は畑から採れるだけの野菜をひとまとめにして採ってきました。

素人の野菜作りですから、特別に立派なものはありませんが、ホーレン草、信夫冬菜、からし菜、白菜、小松菜等が運び込まれ、私と嫁はそれぞれに分けて新聞紙に包み蓄えました。

この小さな野菜たちの一株一株が、これからの私たちを短時間であっても支えてくれると信じて、そして残らず食べ尽くしたいと切に思いました。時間の経過と共にだんだん水分を失って元気がなくなっていく野菜を見るのは、とても辛いことでした。

新聞紙を開く度に野菜は下のほうの大きな葉や枝がどんどん枯れていくのですが、先端の花が咲く部分はまだまだ元気なのです。下の方の黄色くなった葉を落とすと、食べられる部分は半分ほどになりました。この時の野菜を食べきるのに約2週間ほどかかりました。

ある日、86歳になる母と一緒に、この野菜たちの下葉の枯葉を取り除く作業をしていた時、不思議な気持ちになりました。

私と母親の関係と、手にしている野菜の状況が重なりました。母からの命のバトンがあり私が存在し、この小さな野菜も、確実に今命をつなごうとしている現実を目にし、涙があふれました。

自分を犠牲にしても花を咲かせ、次の世代に繋げてほしいと願っているように。そして私たち家族は、そのエネルギーが集まった“命”の部分を頂いていた訳です。

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今までにこんなに弱った野菜を大切に食べ続けたことはありませんでしたが、何か大切なことを教えられた気がします。植物はどんな状態になっても声を発することはありません。でも、その成長の姿や花々に、人間はいやされます。命を頂いているということを忘れてはいけないと強く思いました。

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そして同時に生命の糧である植物の最も大切な“土”を汚してしまったことに、取り返しのつかない罪を感じる毎日です。

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【耳より情報】
本ブログでも触れた、国宝!浪江焼そばが、なんと福島市の福島県観光物産館(コラッセふくしま1F)にて堪能できます(5月8日まで)。
浪江町の井戸川商店さんが、猪苗代町の避難所から出店しています(詳細はコチラ)。

ピンク・たろうもご満悦♪
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